ハワイへの思い一冊に 元知事公室長の高山さんが著書 沖縄県系人の足跡振り返る


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「ハワイと沖縄の架け橋」を出版した高山朝光さん=12日、那覇市

 沖縄ハワイ協会の前会長で、県知事公室長などを歴任した高山朝光さん(85)=那覇市=が、ハワイに移民した県系人の足跡や自らのハワイとの交流を振り返った著書「ハワイと沖縄の架け橋 ~織りなす人々の熱い思い~」を出版した。高山さんは「2020年は沖縄ハワイ移民120周年、東西センター創立60周年の記念すべき年。半世紀余にわたるハワイへの熱い思いをまとめた」と語った。

 高山さんは1962年、米国政府の教育研究機関・東西センターの奨学生としてハワイ大学に留学した。沖縄戦からの復興途上にあった沖縄と比べ、生活水準の高いハワイの県系人の活躍などに衝撃を覚え、県系人のリーダーらを訪ねて回りインタビューを重ねた。著書では、沖縄の大学設立構想などを働き掛けた故・湧川清栄さんなど20人以上の県系人らとの思い出を振り返っている。60年代から県内紙に寄稿した原稿などを基に、新たに加筆した。ハワイ沖縄連合会との交流や支援活動、県系3世のデービッド・イゲ州知事誕生なども紹介している。

 高山さんは「ハワイに渡った先人たちがどのように苦労して成功し、さらに沖縄を支援してきたのか。ハワイの人々と連携していく大切さを知ってほしい」と話した。発売は編集工房東洋企画。A5判、253ページ。1300円(税抜き)。県内書店で購入できる。