沖縄県那覇市首里末吉町の末吉公園内の少なくとも十数カ所に、赤いスプレー塗料で「死ね」などと落書きされていることが16日、分かった。国指定史跡「末吉宮跡」に含まれる遍照寺(へんしょうじ)跡の石垣にも3カ所、落書きが確認された。史跡の範囲外だが、琉球王国時代からある石畳の参道にも落書きがあった。
市文化財課によると、市民から2日に連絡があった。同課は同日、現地を確認し、16日から塗料の除去を始めた。刑事告訴するかは今後、関係部署で検討するという。末吉宮の管理を兼務する波上宮の男性職員は「今までこんなことはなかった。罰当たりな行為だ」と憤った。
末吉宮は琉球八社の一つ。尚泰久王の時代(1454~60年)に熊野三所権現を迎え、まつったのが始まりとされる。神社の下にある遍照寺跡は組踊「執心鐘入」の舞台となった。