一括交付金、1000億割れ最低 21年度沖縄予算 全体3010億円、4年連続


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 【東京】政府は17日までに、2021年度の沖縄関係予算案を20年度に続いて3010億円とする方針を固めた。18年度から4年連続の同額となる。県や市町村が増額を求めていた一括交付金は20年度当初予算から33億円減の981億円で、制度創設以降初めて1千億円台を割り込み過去最低を更新する。一方、市町村への直接交付など政府が直轄する予算は増加傾向が顕著で、沖縄振興における県の主体性が揺らぐ構図が鮮明となった。政府は同予算案を21日に閣議決定する。

 一括交付金の内訳は、ソフト交付金が前年度当初予算から18億円減の504億円、ハード交付金が同15億円減の477億円となる。総額は981億円で、制度創設から確保してきた1千億円台を割り込んだ。使途の自由度が高い一括交付金が減額される一方、県を通さずに国が市町村などへ直接交付する沖縄振興特定事業推進費は、20年度当初予算から30億円増の85億円で、要求通り認める。同推進費はソフト交付金の補完を名目に創設され、19年度は30億円、20年度は55億円で大幅な増額が続いている。

 公共事業関係費では、前年度予算と同額の1420億円を維持。昨年10月に焼失した首里城の復元に向けた取り組みが組み込まれた。

 米軍キャンプ瑞慶覧の西普天間住宅地区跡地で進められている、琉球大医学部・付属病院の移転事業を核とする「沖縄健康医療拠点整備」には、前年当初予算より6億円増の95億円を措置する。

 また、新型コロナ感染拡大で打撃を受けた観光業への支援事業予算として、新たに3億円を計上する。