保育園の落下事故「米軍部品と特定できず」沖縄県警、調査終了の見込み 保護者らショック


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緑ヶ丘保育園

 2017年12月、宜野湾市野嵩の緑ヶ丘保育園に米軍機の部品が落下した事故で、県警は17日までに、米軍の落下物とは特定できなかったとする実証実験結果をまとめた。早ければ18日にも発表する。目撃情報や発見時に園上空付近を米軍機が飛行していたことなどから、部品は米軍機からの落下物と考えられていた。米軍は部品が紛失していないことなどを理由に落下を否定している。

 部品が米軍機から落ちた可能性を視野に県警は8月下旬、高度200メートルからの落下物を想定し、投てき装置を用いた実証実験を県警施設内で実施した。専門家などの知見も得ながら分析を進めたが、上空からの落下物との結果は得られなかった。米軍機からの落下物以外の可能性も含め、聞き込みや周辺の防犯カメラ映像を精査するなどしてきたが、一連の捜査で犯罪行為は確認されなかった。

 捜査幹部は「刑事法令に該当する行為は確認されていない」とし、何者かが園内に投げ込んだ可能性も否定した。保育園の屋根で見つかった米軍の部品がどこから持ち込まれたものかなど、真相が不明のまま県警の調査は終了する見込み。

 緑ヶ丘保育園の保護者らでつくる「チーム緑ヶ丘1207」の与那城千恵美さんは、「せめて空から落ちてきたことは明らかにしてほしかった」と落胆した。誹謗(ひぼう)中傷が再び園に向かうことを保護者らが心配しているという。事故の真相解明を願い「あきらめない」と力を込めた。園の神谷武宏園長は、県警に「捜査を打ち切ることはしないでほしい」と求めた。