沖縄・北部地区で深刻な病床逼迫 迫る「医療崩壊」に危機感 


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医療状況が逼迫している県立北部病院=17日、名護市

 新型コロナウイルス感染拡大に伴い、北部地区の患者の受け入れ体制が逼迫(ひっぱく)している。

 北部保健所管内の人口は約10万2千人。新型コロナウイルスの患者を受け入れている病院は県立北部病院と北部地区医師会病院だが、新型コロナ患者用の病床利用率は軽症を除き100%で満床となっている。

 学校や保育園での感染も広がる中、子の世話のため休まざるを得ない医療従事者もおり、人材確保の面でもぎりぎりの状態が続く。

(松堂秀樹)

 県立北部病院によると17日午前9時時点で、軽症者向けの病床(16床)の占有率は50%(8人)だが、それぞれ2床ずつ確保している中等症、重症、集中治療用の病床の占有率は100%。北部地区医師会病院は軽症者用の病床10床が埋まっている。

 県は17日、名護市の小学校でのクラスター(感染者集団)発生を認定した。16日に陽性が確認された36人のうち18人が北部保健所管内の住民で、新規感染者は増加傾向にある。

 北部の医療関係者は「退院する人以上に新たな患者が運ばれてきている。これ以上患者が増えたら入院させる場所がない」と危機感を抱く。「県が主導して感染源を絶つような取り組みをしなければ医療が崩壊しかねない」と訴えた。