時短営業、各店舗の対応は? やっぱりステーキ、のれん街… 通常通りや開店時間前倒しも


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県の要請を受けて、28日まで時短営業することを知らせる張り紙=那覇市久茂地のバー「サンシャイン」

 新型コロナウイルスの感染拡大を止めるため、県が那覇市、浦添市、沖縄市の飲食店や遊興施設に求めた時短営業の要請期間が、17日から始まった。午後10時までの営業終了を求められる事業者の中には、開店時間を早めるなどして少しでも需要を取り込もうとしている店舗もある。一方、通常通り深夜営業を続ける店舗もあり、要請への対応は分かれている。

 那覇市久茂地にある居酒屋では、通常は午後5時半に店を開けるところ、時短要請を受けて17日から開店時間を1時間半早めて午後4時とし、夜10時に閉店した。店長の男性は「本当は(要請に)従いたくないけれど、医療の逼迫(ひっぱく)を考えると協力するしかない。早い時間に帰宅する人もいるので、何もしないよりは多少なりとも、やれることをやりたい」と話した。

 同じ久茂地にあるバー「サンシャイン」も県の要請に従い、午後10時閉店とした。客の要望があれば午後6時に開店し、出前で料理を用意することを検討している。オーナーの伊波興治さんは「いつもなら2次会以降に寄ってもらうことが多いが、会社から直接来てもらうことで売り上げにつなげたい」と話した。

 那覇市久米の琉球料理店「味と踊りの竜宮城うらしま」では、政府が「Go To トラベル」の一時停止を発表した後、キャンセルが約25件発生した。個人や団体の観光客が、沖縄旅行を中止したことが原因という。政府の補償は飲食店を対象にしておらず、打撃は大きい。17日から午後10時までの時短営業となり、自粛ムードの中で新規予約は厳しい状況だという。

 与儀哲治代表は「時短営業期間が終わる28日以降はGoToトラベルが停止になり、これから約1カ月売り上げが落ち込んでしまう。早くコロナが収束するよう願うばかりだ」とため息を漏らした。

 一方、「やっぱりステーキ」は、午後10時以降も営業している那覇市の久茂地店と松山店について、17日以降も通常の営業時間を続けることにした。運営するディーズプランニングは「社内でもかなり議論をした。夜遅くまで働いている人たちが仕事後に来る店舗なので、ステーキを食べたいという希望に応える意味でも、対策を徹底した上で継続する」と話した。

 那覇市の旧沖縄三越ビルの飲食店街「国際通りのれん街」も、建物自体は午後10時以降の深夜営業を続けるが、入居する31店舗のうち10店舗が時短営業に応じる。運営するスパイスワークスホールディングス(東京)の担当者は「基本的には各テナントの判断に任せている。営業する場合にはより徹底した感染防止対策を求めている」と話した。