レスリング全日本選手権 志喜屋がグレコ97キロ級で準優勝 守備で成長実感


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男子グレコローマンスタイル97キロ級決勝 スタンドで攻め続ける志喜屋正明(右)=17日、東京・駒沢体育館(長嶺真輝撮影)

 レスリングの全日本選手権は17日、東京・駒沢体育館で開幕して計8階級が行われ、五輪実施階級の男子フリースタイル125キロ級は山本泰輝(自衛隊)が決勝で東京五輪アジア予選(来年3月・西安=中国)代表の田中哲矢(自衛隊)を破り、4年ぶり3度目の優勝を果たした。男子グレコローマンスタイル97キロ級の志喜屋正明(浦添工―国士舘大出、自衛隊体育学校)は、決勝で天野雅之(中大職)に敗れ、準優勝だった。天野は2011年大会の84キロ級以来9年ぶりに日本一に輝いた。仲里優力(北部農林高―日体大)は初戦の準決勝で天野に敗れ、3位決定戦で奈良に敗れ4位だった。

 昨年まで4年間の全日本選手権で2位2回、3位2回とあと一歩優勝に届かなかった志喜屋正明。再び巡ってきた頂点へのチャンス。32歳のベテラン天野雅之に対し、序盤からスタンドでプレッシャーをかける。

 第1ピリオドの1分24秒で相手がパッシブ(消極的な姿勢への警告)を受け、1点先制し背後から攻める。リードを広げたい場面。しかし初優勝が懸かる中、気負いもあり「冷静さが足りなかった」。ポジションを変えながらリフトやローリングのタイミングを探ったが、技は決まらず。

 第2ピリオドに逆にパッシブを受けて同点とされると、ローリングを決められて2点を追う展開に。最後まで攻め続けたが、1点詰めるのがやっと。終了ブザーが鳴り、膝に手をついてしばらく動けなかった。

 準決勝では別階級を含め大会4連覇中だった奈良勇太に、パッシブ以外で一度も得点させずに勝利を飾った。「グラウンドで簡単に組ませない守りを鍛えてきた。この1年は間違いじゃなかった」と成長も実感した。前回大会の準決勝敗退で東京五輪出場は逃したが「一つ一つ自分が納得できる試合ができないと上にはいけない」と自らの可能性の探究をやる気に変え、自分磨きを続けている。 (長嶺真輝)


▽男子グレコローマン97キロ級1回戦

志喜屋正明 Tフォール1分20秒 高橋(九州共立大)

▽同準決勝

志喜屋 5―1 奈良(警視庁)

天野(中央大学職員) 10―7 仲里優力(日体大)

▽同決勝

天野 3―2 志喜屋

▽同3位決定戦

奈良 3―1 仲里