製糖の安全を願う 北大東、操業へ開始式


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製糖開始式で安全操業を祈願する関係者ら=15日、北大東製糖の製糖工場ヤード

 【北大東】北大東製糖(宮城一也社長)は15日、宮城光正村長、上間正巳村議会議長、與儀實善さとうきび生産組合長ら関係者が出席する中、2020―21年期製糖開始式が行われ、安全操業を祈願した。収穫面積404ヘクタールで予想生産量2万6108トンを見込んでいる。

 今期は9月までは順調な生育状況だったが、台風10号の直撃で潮害を含む被害率は15・42%、さらに台風14号で強風域に入り、特に島の北東側で潮害を受けた。

 宮城社長は「大変厳しい自然環境の中、生産者の増産に向けた取り組み、国や県による増産支援、村の基盤整備の拡充やJA支店による農家支援などにより、5年連続の2万トンを超える生産量が見込まれている。島の生産目標である3万トンを目指し製糖工場も一体となって取り組んでいきたい」とあいさつした。

 工場の老朽化(建設から61年が経過)に伴う新工場建設計画や、働き方改革への3年3カ月後(製糖業への猶予期間)の対応について新型コロナウイルスの収束が見えず厳しい状況があるとしつつ「島の経済を根幹から支えるサトウキビ産業なので、生産者に安心してサトウキビ農業に取り組んでもらうために、工場の安定操業に向け、関係機関と連携し国や県に要請を含めた取り組みをしていきたい」とあいさつした。

 新型コロナウイルス感染症については、島の医療機関は診療所しかないことから、同社は島外から45人の季節労働者(関係機関季節労働者含む)に那覇市内のホテルに3日間滞在してPCR検査を受けてもらい、陰性を確認した後に島に入る水際対策を取った。

 (上地順子通信員)