FC琉球、最終戦飾れず 「攻撃的」でも無得点 町田に0―1 2季目は16位で終了


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FC琉球―FC町田ゼルビア 後半、味方のクロスに頭で合わせシュートを放つ琉球の上原慎也(左から2人目)=20日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(新里圭蔵撮影)

 サッカー明治安田J2の第42節(最終節)は20日、各地で行われ、FC琉球はタピック県総ひやごんスタジアムでFC町田ゼルビアと戦い、0―1で敗れた。今季最終戦を勝利で飾ることはできなかった。通算成績は14勝20敗8分けで勝ち点50。順位は16位だった。J2初年度の昨季は13勝10分19敗の勝ち点は49で14位。勝ち点は上回ったが、順位は下げた。得点数は今季58点で昨季より1点増し、失点数は61点で19点減らした。

 「やりたいサッカーは表現できているが、結果に結びついていないことが今季を象徴している」という樋口靖洋監督の言葉の通り、最終戦は琉球の今の姿をそのまま現していた。

 コンパクトな守備で相手にチャンスメークさせず、ボールを握って好機をつくる。しかし、シュートまで至らず、パスカットから簡単に奪われた失点が最後まで尾を引いた。

 攻撃的サッカーを掲げながら無得点で敗れた試合は12試合あった。監督は「来季は改善しないといけない」と決意を新たにした。

 今季は過密日程でけが人が増す中、人繰りに苦心しながら一丸で戦った。FW上原慎也は「体はきつかったが、この経験は財産になった」と振り返る。上原も11月の福岡戦で負傷。この最終戦に向けて調整を続けてきたうちの一人だった。

 J2初年度の昨季より順位こそ下回ったが、得点数と勝ち点で上回った。失点数も減少した。上里一将主将は「過密日程の中で相手の隙だったり立ち位置だったり(を見ながら)声掛けしながらできた」と成長を実感する。

 「守備の強度とポジショニングの精度をさらに高めたい」と話す樋口監督。来季こそJ1昇格を果たすため、攻撃的スタイルをさらに洗練させる。


(2)タピスタ(町田2勝)
町田 12勝13分け17敗(49)
1―0(1―0,0―0)
琉球 14勝8分け20敗(50)
▽得点者 【町】 吉尾(3)
▽観客 2546人

 【評】琉球は立ち上がりから主導権を握って見せ場をつくったが、前半16分、パスカットからカウンターを許し、先制点を許す。後半もボールを支配しながら、相手の集中した守備に阻まれた。ゴール前でラストパスが通らないなど、攻撃の精度に課題が残った。

◆ミスでリズム崩す

 樋口靖洋監督(琉球)の話 敗戦をしっかり受け止めたいが、ゲームは集中して戦えた。守備では失点シーン以外はほぼやられていないし、ボールも動かせた。ただパスミスでリズムをつくりきれなかった。今季はサッカーができる喜びを再認識した。

◆攻守の質上がった

 ポポヴィッチ監督(町田)の話 最終戦を勝利で締めくくるという強い気持ちで戦った。攻守でタフに戦い、締まった内容だった。開幕戦と比べると攻守の質が上がり、若手は成長し、中堅やベテランも力を発揮した。やってきたことを最後に出せてうれしい。