女子・那覇西3連覇、男子は興南がV4 ともに地力の高さ発揮 ハンド九州高校選抜県予選


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
那覇西―コザ 高さを生かしたシュートで3点目を奪う那覇西の砂川茉穂=20日、浦添市のANA ARENA浦添(謝花史哲撮影)

 ハンドボールの第49回九州高校選抜県予選最終日は20日、浦添市のANA ARENA浦添で決勝を行った。女子は那覇西が19―11でコザに勝利し、3年連続13度目の優勝を決めた。男子は興南が那覇西に39―32で競り勝ち、4年連続30度目の頂点に立った。九州選抜兼全国選抜九州地区予選は来年2月に宮崎県で予定されている。(謝花史哲)

◆砂川、重い空気切り裂く 那覇西

 前半12分すぎ、那覇西の砂川茉穂が高さを生かしたミドルシュートを決めて、重たい空気を切り裂いた。立ち上がりは持ち味の堅守速攻に持ち込めず0―3とリードされ、じりじりする時間が続いていた。砂川はGKの比嘉楓から「外してもいいから」と言われ「安心して打てた」と遠かった1点目をもぎ取った。

 交差する際に手元を隠しながらボールを受け渡すコザのパスワークに苦しみ、守りが安定しない。きっちりシュートまでいかれ速い攻めができずセットオフェンスの展開が多くなった。

 砂川は「自分は上からロングを打てることが武器。速攻が決まらない場面で取ることがチームのためになる」と1対1で強さを発揮し、3―3に追い付くシュートも決めきった。

 ハーフタイムで前半の問題点を整理し、後半は相手のシュートフェイントの着地点など動きを見極めた。前半になかったターンオーバーも出るようになり速攻を仕掛け、後半は前半より5点多い12得点を挙げた。

 金城望子主将は「後半はDFからの走りだしを意識し、立て直せた。やはりDFからリズムをつくって確実に点を取ることがチームの強さ。課題もはっきりした」とさらなる強化を図り、九州、全国優勝を目指す。

◆見せつけた高い得点力 興南「失点多い」と反省

興南―那覇西 前半、切り込んでシュートに持ち込む興南の照屋拓実(左から3人目)

 互いに譲らない点の取り合いを興南が制した。速い展開で中央から、サイドからと攻め立て20―14で折り返すと後半も点差を守り、得点力の高さを見せつけた。ただ那覇西に計32点を許したことに伊禮颯雅主将は「失点が多い」と防御面で反省しきりだった。

 失点後に素早くリスタートする那覇西に縦から横へと自在にパスを通され、DF内側に踏み込まれる場面が目立った。

 黒島宣昭監督は「指示が通らない。全く駄目。得点力があるチームは全国にもっといる。点の取り合いでは通用しない」と厳しい。

 2年になりサイドからセンターポジションに移った照屋拓実は「点数よりも内容が大事。堅守速攻でまずは九州優勝を目指したい」と練り直しを図る。


 【男子】
▽決勝
興南
39―32(20―14,19―18)
那覇西

 【女子】
▽決勝
那覇西
19―11(7―6,12―5)
コザ