レスリングの全日本選手権最終日は20日、東京・駒沢体育館で計6階級が行われ、男子のグレコローマンスタイル60キロ級は2017、19年世界選手権覇者で東京五輪代表の文田健一郎(ミキハウス)が2試合を勝ち、旧階級を含めて2年ぶり3度目の日本一に輝いた。
同72キロ級の島袋慶生(浦添工―日体大出、新潟県央工高教員)は3位、女子53キロ級の與那嶺優里(今帰仁中―東京・安部学院高―日本文理大出、釘宮整形外科リハビリクリニック)は1回戦で敗退した。
第2日に行われたグレコローマンスタイル77キロ級で2連覇を飾った屋比久翔平(浦添工高―日体大―日体大大学院出、ALSOK)は、同スタイルの優秀選手に選ばれた。
フリースタイル57キロ級は17年世界王者の高橋侑希(ALSOK)が2年ぶり4度目の優勝。東京五輪アジア予選(来年3月・西安=中国)代表の樋口黎(日体大助手)は初戦の準決勝で敗れた。
非五輪階級のフリー92キロ級はアジア予選86キロ級代表の高谷惣亮(ALSOK)が制し、4階級にわたっての10年連続優勝。グレコ72キロ級は高橋昭五(警視庁)が67キロ級と合わせて3年連続で頂点に立った。
女子の53キロ級は17歳の藤波朱理(三重・いなべ総合学園高)が初制覇。17、18年世界女王の奥野春菜(至学館大)は初戦で藤波に屈した。非五輪階級の65キロ級は森川美和(日体大)が昨年の68キロ級に続いて制した。
◆一瞬の隙突かれる/島袋「初戦で疲れ果てた」
男子グレコローマンスタイル72キロ級の島袋慶生の1回戦は、昨年の茨城国体決勝で敗れた宿敵の山本貴裕。投げのうまさを警戒しつつ、得意のグラウンドで脇を締めポイントを稼いでリベンジを果たした。「山本先輩には絶対負けたくなかったので、勝ててほっとした」と雪辱を果たした。
準決勝は昨年の67キロ級王者の高橋昭五に、序盤から果敢に攻め入ったが、うまくかわされ一瞬の隙を突かれフォールで敗退。「初戦で疲れ果ててしまい(体力的に)きつく、気を抜いてしまった」と惜しくも決勝進出は逃した。
コロナ禍で練習量が減る中、減量にも苦しんだという。来年5月の明治杯全日本選抜選手権に向け「もう一度気持ちをしっかりつくって取り組む」と語った。
▽男子グレコローマンスタイル72キロ級1回戦
島袋慶生(新潟県央工高教員) 5―3 山本(山口県協会)
▽同準決勝
高橋(警視庁) フォール3分49秒 島袋
▽3位決定戦
島袋 Tフォール2分19秒 勝浦(九州共立大)
▽女子53キロ級1回戦
矢後(警視庁) 10―5 與那嶺優里(釘宮整形外科リハビリクリニック)