バスケ女子・西原 100点ゲームで初戦快勝 「救世主」は1年生コンビ ウインターカップ


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西原―米子南 守りを振り切ってレイアップシュートを沈める中村望愛(左)=23日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ(日本バスケットボール協会提供)

 全国大会の経験者が2人のみという西原。試合開始から浮き足立つ。前線から激しく守って素早く攻める自分たちのバスケを全く表現できない。その中で1年の2人が光を放つ活躍でチームを支えた。(長嶺真輝)

 3点弾が1本も入らず、なかなか抜け出せない展開で力を見せたのが1年生の点取り屋、中村望愛だ。インサイドの1対1で着実に得点を重ねる。「相手の県大会の動画を見てドライブに弱いと思った」と積極的に仕掛けた。チームトップの20点を奪って攻撃をけん引し食らい付いた。

 1点ビハインドの後半戦。ここで1年生の救世主がもう1人現れる。崎浜秀勝監督が「追い付くためにはこの子だと思った」とコートに送り出したのは、158センチとチーム一小柄ながら、指揮官がそのシュート力に絶大な信頼を置く宮里綺羅乃だ。

 4点差に離された第3Q中盤、「チームがつないでくれたパス。気持ちを込めて打った」と、この日チーム初の3点弾を決めて追いすがる。3Q終盤でも3点弾を連続で沈め、4Qで突き放す勢いを生んだ。

 ベンチ入りしていない同級生にボールを拾ってもらい、朝から晩まで空いている時間をシュート練習に費やしたという宮里。「みんなのためにも全国で決める」と決意し、13分44秒という短い出場時間で13点を挙げた。「西原のバスケで勝てるよう、守備から流れをつくりたい」と次戦を見据える。


 バスケットボールの全国高校選手権(ウインターカップ2020)は23日、東京体育館などで開幕して男女の1回戦が行われた。男子の豊見城は73―69で北陸学院(石川)との接戦を制し、全国大会で同校初の勝利をつかんだ。女子の西原も米子南(鳥取)との点の取り合いを制し、103―90で初戦を突破した。男子で20度の優勝を誇る能代工(秋田)が九州学院(熊本)に72―77で敗れた。能代工は来春、「能代科学技術」への校名変更が決まっており、現校名では最後の全国大会だった。女子では23度目の優勝を狙う桜花学園(愛知)が松徳学院(島根)を146―30で下した。