対中強硬方針を発表 米軍の新海洋戦略 インド太平洋に焦点


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 【与那嶺路代本紙嘱託記者】米海軍、海兵隊、沿岸警備隊は24日までに、今後10年間の指針となる新たな海洋戦略「海洋での優位性」を発表した。最大の長期的脅威として中国を挙げ、軍の近代化や同盟国との連携などを促進して強硬に対抗する方針を示した。部隊配置や運用には「インド太平洋地域での抑止力強化に焦点を当てる」と明記した。

 海洋戦略の文書で、「今後10年のわれわれの行動が、今世紀残りの期間の海洋での勢力均衡を形作る」とし、重要な局面にあることを強調した。中国とロシアを「世界の平和と繁栄にとって重大な脅威」と位置付けた。

 特に、経済力と軍事力を増大させる中国について「最も差し迫った、長期にわたる戦略的脅威」と危機感を示し、優先して対抗する方針を示した。

 新戦略には五つの柱を設定した。(1)訓練や投資、情報など全領域において海軍・海兵隊・沿岸警備隊の統合運用を促進する(2)同盟国・パートナー国との多様なネットワークを拡大する(3)軽量の強襲揚陸艦や無人艦船の導入などで軍の近代化を図る(4)継続的な作戦によって日々の競争に勝利する(5)対立時には海洋を統制する―の5点を挙げた。

 前回の海洋戦略は2015年に発表された。