沖縄・北部病院の陽性者受け入れ”限界” 新規感染者が後絶たず


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【北部】新型コロナウイルス感染拡大に伴い、北部地区の医療体制は依然として厳しい状態が続いている。陽性者が回復し、退院したことで、24日時点で病床利用率は85%となり満床状態はやや解消されつつあるが、伊平屋村でクラスター(感染者集団)が発生するなど、次々に新たな患者が搬送されてきており、「これ以上は受け入れが厳しい」(県立北部病院)のが実情だ。

 北部病院によると、24日時点で16床確保していた軽症者の病床は9床埋まり、2床確保していた中等症は8人の患者がいて、病床を増やして対応している。2床ずつ確保している重症、集中治療用の病床は17日は満床だったが、24日までに患者数がゼロになった。

イメージ写真

 伊平屋村や名護市の飲食店でのクラスターで、感染が拡大しているほか、北部保健所管内では直近1週間で介護職員3人の感染が確認されるなど、医療施設や福祉施設での感染拡大にも懸念が強まっている。

 伊平屋村の集団感染については、基礎疾患がある患者は北部病院が受け入れているが、軽症者は中南部に受け入れ先を要請しているという。連日、北部保健所管内で新たな感染が確認されていることから、北部病院は回復者には速やかな退院を促し、24日には4人が退院して3床を新規入院のために確保した。

 北部病院の久貝忠男院長は「できる限り陽性者を受け入れているが、これ以上は厳しい。会食を控えてほしい。県の時短営業要請で状況が改善することを期待している」と話した。