浦添・港川の建設現場に色鮮やかアート  障がいある作家が制作


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
若竹福祉会の利用者による作品が展示されている「ゆがふBizタワー浦添港川」建設現場=浦添市港川(ヘラルボニー提供)

 ゆがふホールディングス(名護市、前田裕継CEO)が、浦添市港川に建設する複合施設「ゆがふBizタワー浦添港川」の仮囲いに、知的障がいのある作家の描いた色鮮やかなアート作品を展示し、道行く人の目を楽しませている。同社が、ヘラルボニー(岩手県花巻市、松田崇弥社長)によるプロジェクト「全日本仮囲いアートミュージアム」に参画したもので、展示は九州・沖縄地域で初。

 浦添市の若竹福祉会に所属する5人の作家が作品を提供し、花火や建物などを描いたカラフルな6作品が並ぶ。それぞれ縦1・5メートル、横2メートルほどの大きさで展示は来年初夏頃まで。

 岩手県では、知的障がいのある作家のアートを展示する同プロジェクトへの参加は、公共事業の成績評価の加点対象になるという。自閉症の兄を持つヘラルボニーの松田社長は「知的障がいのある人々はこだわりを持っており、だからこそ描ける作品がある」と話す。若竹福祉会の村田涼子総合施設長も「障がいのある人たちのアートは固定概念に縛られることがない」と魅力を語った。今回作品を提供した作家には、同福祉会を通じ工賃が支払われる。

 作品は耐久性のあるターポリンという生地に印刷されており、展示終了後は、ゆがふホールディングスが新たに障がい者事業所に加工を依頼し、記念品などの製造を予定している。同ホールディングスの前田貴子CEO代行は「才能あふれる作品が、県内の建設現場で展示されるきっかけになってほしい」と願いを込めた。