福永が5回KO勝ち、新人王決定戦出場決める ボクシング西軍代表戦


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全日本新人王西軍代表決定戦フェザー級 最終5ラウンドでKOとなるパンチを放つ福永輝(左)=27日、大阪市のエディオンアリーナ大阪第2競技場(大城三太撮影)

 プロボクシングの全日本新人王西軍代表決定戦が27日、大阪市のエディオンアリーナ大阪第2競技場で行われた。県勢でフェザー級の福永輝(22)=浦添商高出―沖縄ワールドリング=は三尾翔(グリーンツダ)と対戦し、5ラウンド2分39秒でKO勝ちした。戦績を9戦8勝(5KO)1敗とした。福永は2月21日に東京都の後楽園ホールで行われる全日本新人王決定戦で同級東日本新人王の平野和憲(KG大和)と対戦する。平野の戦績は4戦4勝(4KO)。 (大城三太)

 眼光鋭く、アドレナリン全開の様相で序盤から闘争本能むき出しだった。福永は威力で大差のない左右の強打を武器に、野性的なファイティングスタイルで積極的に前へ出て打ち合った。スタミナは切れず、最後まで馬力も十分だった。

 最終5ラウンド。右の強打が相手の左あごを捉えた。向かって来る左ストレートをよけ、ガードをくぐり抜けて決めたカウンターパンチだった。

 昨年はこの大会で敗れ、再挑戦だった。久しぶりのKO勝利でもあり、二重の喜びで大きな手応えを感じている様子だった。「ことし3勝したが全部判定勝ち。苦しんだ1年だった」と振り返る。自身が理想とするKO勝利に届かず、もどかしさを感じていただけに、納得顔でもあった。

 新人王のタイトルまであと1勝。2月の試合に向けて「過密日程だが、けがはないのでうまく調整したい。感覚を大事に戦いたい」と意気込んだ。

 沖縄ワールドリングの中真光石会長は「ボクシングに必要な闘争本能は申し分ない。細かい技術と冷静な判断力が加わればチャンピオンも見えてくる」と先を見据えた。

反則行為に反省しきり ダウンの相手にパンチ
 

福永 輝

 1ラウンドでもダウンを奪った福永。しかし、相手の三尾がリング上に両手両足をついた後もパンチをやめず、1発を打ち込んだことで反則行為の減点1を取られた。「気持ちが入りすぎていた。興奮状態で体が反射的に動いてしまった」と福永。

 スポーツマンシップに反すると疑われかねない行為だけに「申し訳なかった」と反省しきりだった。試合後、ロッカールームで三尾に駆け寄り、何度も言葉を交わした。三尾も「パンチ強かったよ」と応じ、最後は互いに健闘をたたえ合った。