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「五輪の作戦100個ぐらい」新城幸也 石垣島のヒーローが富士の激坂に挑む

 自転車ロードレースに自らの才能を見いだし、18歳で石垣島から飛び出した青年は精神的にも肉体的にも成熟した36歳になった。ロンドン、リオデジャネイロに続いて3度目の五輪出場。7月には、自国開催のオリンピックという、またとない舞台に立つ。

 男子は東京・武蔵野の森公園をスタートし、静岡の富士スピードウェイまでの総距離244キロの過酷な道のりを駆け抜ける。獲得標高(上った標高の合計)は約4865メートルにもなる。レースでは選手間の駆け引き、瞬時の判断力が結果を左右する。新城は「余力を残しても途中でガス欠しても駄目。自分をコントロールしながら100パーセントの力を出し切りたい」と力を込める。


出身地・石垣の市役所に掲げられた懸垂幕を背にポーズを取る新城幸也=2020年11月

 世界のトップ選手がひしめき合うヨーロッパで10年以上走り続けてきた。そこで積み重ねてきた経験と技術を糧にメダルを狙う。本番に向け「作戦はもう100個ぐらい準備している」と笑う。

 レースについて「最終盤に富士山を上り、勾配のある三国峠がある。そこでの残りの4キロ、15分間を耐えられるかが鍵になる」と展望した。世界の猛者たちとの勝負であると同時に、自らの体力の限界に挑む集大成のレース。言葉の端々からアスリートとしての気概がにじみ出る。強い意思とは裏腹に、気負いなく自然体でレースに挑もうとする姿勢も感じられた。

 12月に石垣島へ帰郷し、つかの間の休息で心身を癒した。島の同級生から激励の言葉をつづった寄せ書きをもらった。石垣や沖縄全体からの応援こそが新城の背中を後押しする大きな力となる。「自国開催の東京五輪で走ることができる喜びを感じている。県民にこれまでの成果を見てもらいたいし、応援してほしい」と屈託のないまなざしを向けた。

文・大城三太


自転車ロードレースのジロ・ディタリアで笑顔を見せる新城幸也=2020年10月、イタリア  Photo・Miwa IIJIMA

 あらしろ・ゆきや 1984年9月22日生まれ。36歳。2012年ロンドン五輪ロードレース48位、16年リオデジャネイロ五輪ロードは27位。
ツール・ド・フランスに7度出場。八重山高出、バーレーン・マクラーレン所属。170センチ、64キロ。



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