【記者解説】障がい者の就労支援、事業所の安定運営に不可欠な体制づくりとは


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 県内の就労継続支援事業所を対象にしたアンケートでは、新型コロナウイルスの感染拡大で生産活動が停滞し、障がい者の自立を支える事業所が苦境に立たされている実態が浮き彫りになった。

 事業所は一般企業などでの雇用が困難な障がい者を対象に、就労や生産活動の機会だけでなく、業務を継続する力をはぐくんだり、生活リズムを整えたりして、障がい者の社会参加や自立を後押ししている。

 今年11月1日現在、県内の就労継続支援事業所は利用者と雇用契約を結ぶA型が116カ所、非雇用型のB型が321カ所。厚生労働省によると、2018年度の月平均賃金は県内A型で6万7135円、B型で1万5779円だった。A型の全国平均は7万6887円で、B型は1万6118円で県内はいずれも下回っている。

 調査では、作業発注の促進や利用者の工賃・賃金の確保などの要望が上がった。安定的な運営に向け、行政との連携は不可欠で、事業所同士が事業ノウハウを共有できる機会や、下請け構造を改善する体制づくりが求められている。
 (吉田早希)