日航(JAL)904便ボーイング777のエンジントラブルを巡り、航空評論家の青木謙知氏はファンブレードの疲労破壊の原因について、これまでの点検内容を精査するとともに、製造過程についてしっかり調査する必要があると指摘した。
青木氏によると、ファンブレードの素材などが規格から微妙に外れている可能性もあるという。「どのようにブレードが製造されたのか、素材がどう管理されていたのか、製造元などを調べないといけない」と語った。
一方で疲労破壊を定期的な検査だけで防ぐことは難しいと指摘する。ファンブレードは定められた間隔で、非破壊検査などを実施するが、その直後に金属疲労が出てくる可能性もあるという。青木氏は「金属疲労は見た目では分からない場合もある」と強調した。
JALはトラブルを受けた再発防止策として、これまで6500飛行回数ごとに行ってきたファンブレードの検査頻度を半数の3250回に短縮した。
直近の検査では、事故があった機体のファンブレードに疲労破壊は確認されなかったという。JALの広報担当は「疲労破壊の原因は調査中だ。原因究明のため、今後とも調査に協力していきたい」としている。