全国の自宅外での年越し1万7000人 県内では自宅外244人・内64人


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 新型コロナウイルスに感染して病院やホテルなど自宅外で年を越す人が約1万7千人に上るとみられることが30日、分かった。都道府県が発表している最新の入院者数やホテルなどでの宿泊療養者数を集計した。自宅で療養する人は約1万1千人と推定される。いずれも増加が続いており、最近は宿泊施設や自宅で死亡するケースが出ている。適切な医療や検査の受診が難しくなる懸念も強まっている。

 流行の「第3波」拡大に伴い、入院する人や宿泊施設で療養する人は増加傾向にある。厚生労働省や各都道府県が公表しているデータによると、30日までに入院中の人は1万1371人、宿泊施設で療養中の人は5457人で計1万6828人。10月28日時点では計4302人で、約4倍に拡大した。

 感染者数は増加傾向にあることから、新年を自宅外で迎える人はさらに多い可能性がある。

 自宅で療養する人はさらに急速に増えている。30日までのデータでは約1万1千人で、10月末に比べ約15倍となった。背景には、病床の逼迫(ひっぱく)のほか、子どもの世話など家庭の事情で自宅を離れにくい人の感染が増えていることがあるとみられる。

 厚労省に対策を助言する専門家組織のメンバーを務める前田秀雄・東京都北区保健所長は「このまま感染拡大が続けば、保健所が適切に医療や検査を調整したり、接触者を詳しく調べたりすることが難しくなる。感染を根本から抑えることが必要だ」と危機感を強めている。

 沖縄は30日時点で、入院中の重傷者148人と宿泊施設療養中の96人の合わせて244人が自宅外で過ごしている。さらにそれとは別に自宅で療養している人は64人いる。