ソフトBリチャード「30本打つ」 開幕1軍へ闘志 沖縄出身選手インタビュー


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 プロ野球のパ・リーグ、ソフトバンクで4年目を迎えるリチャード内野手(21)=砂川リチャード、北中城村出身、沖縄尚学高出=がウエスタン・リーグで最多本塁打と打点王の2冠を受賞した。さらなる飛躍が期待される選手に、昨季を振り返ってもらい、新シーズンに向けた抱負を聞いた。 (聞き手 上江洲真梨子)

オープン戦の広島戦で7回、左翼線に適時二塁打を放つソフトバンクのリチャード=2020年3月13日、ペイペイドーム

 リチャードは豪快なフルスイングで昨年支配下登録を勝ち取ると、ウエスタン・リーグで他の追随を許さない最多12本塁打の活躍を見せた。鷹の次期“大砲候補”の呼び声高いスラッガーは「ことしは30本打つ」と意気込む。最多打点王(47打点)との2冠を引っ提げ、1軍出場に向け汗を流す。

 20年はウエスタンでのチーム75試合中、72試合とほぼフル出場。打率2割2分9厘で、長打率4割2分6厘を誇った。前半は、新型コロナウイルスの濃厚接触者に認定されたこともあり「スタートが遅れていた」というが、後半は尻上がりに調子を上げた。秋頃にはコーチから「(本塁打王の)タイトル獲得まで射程圏内。狙って行け」と声を掛けられギアを上げたという。10、11月はイースタンを合わせ両リーグの月間MVPにも輝いた。

 迷わず振り抜く姿勢について対戦した宮城大弥は「初球からぐいぐい振ってくるのですごく嫌な打者。フルスイングしたときの打球の飛び方がすごい」と警戒していたという。前半は三振に倒れることが多かったが「投手と対戦するうち攻められ方も分かってきて試合勘が付いた。追い込まれてからも甘く振らないことを学んだ」と好機での一打につながるようになった。新シーズンは「打率2割7分、30本塁打」を目標に、ことしも西武・山川穂高内野手(中部商業高―岩手・富士大出)との自主トレに参加する。1軍デビューの大きな期待を掛けられても慢心はない。選手層が厚いソフトバンクだからこそ「誰かの後釜ではなく、先輩を退かせるくらいの気持ちでスタメンを奪わないと」。開幕1軍へ向け闘志をたぎらせる。