1都3県への往来自粛が出たら…沖縄の観光業者は今、何を思うのか


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 国が1都3県への緊急事態宣言を出した場合に備え、県が同地域と沖縄間の往来自粛要請を検討していることに対して、県内の観光事業者からは反対意見が出る一方で「(行政の対応に)振り回されるよりも自粛を徹底した方が良い」との声も上がった。

 意見照会を求められた関係者によると、県は「県民感情に配慮する観点から沖縄への渡航自粛についても要請する必要があると議論になっている」などと説明したという。

 県レンタカー協会の白石武博会長は「当然反対だ。そのような議論が出ること自体理解できない。県としても、Go To トラベルが感染拡大の要因ではないという立場のはずだ」とし、データに基づいて判断するべきだと強調した。「むしろ国のGo To 停止延長に対して反対すべきだ」と話した。

 沖縄観光コンベンションビューローの下地芳郎会長は、県が正式に発表していない段階で詳細が分からないとした上で「観光業界で感染対策を徹底し、観光客も気をつけながら来ている。実際、クラスターも起きていない中で、あえて県から自粛を要請するのは違う」と話した。県内でクラスターが発生しやすい場所での感染対策を徹底することが重要だと指摘した。

 一方、県ホテル旅館生活衛生同業組合の宮里一郎理事長は、全国的に感染者が増加していることを踏まえ「往来自粛要請は仕方ない。他府県を差し置いて、『沖縄に来て』とは口が裂けても言えない」と話し、全国と足並みをそろえる必要があるとした。

 全国旅行業協会沖縄支部の崎山喜孝支部長は「経済と医療との両立と言いながらずっと中途半端だ。今のやり方では続かない」と疑問を呈し「しっかりと収束に向かうような方向で、徹底して自粛をした方が良いのではないか」と話した。