「勝負どころ」の緊急事態宣言 首都圏の沖縄料理店にアンテナショップ 時短や休業対応に追われ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
首都圏の1都3県を対象にした緊急事態宣言から一夜明けたわしたショップ本店。来店者の姿はまばらだった=8日、東京都中央区の同本店

 【東京】新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言の発令から一夜明けた8日、首都圏の1都3県の沖縄料理店や物産店などは、営業時間の短縮や休業を決めるなど対応に追われた。宣言をきっかけに休業する店も出ている。

 東京の銀座わしたショップ本店は12日から、終業時間を通常より1時間短縮して午後7時までと決めた。8日の客足は朝からまばら。前田展野(ひろの)店長は「予想はしていたが、やはりお客さまは少ないね」と肩を落とした。昨年8月に客足が戻ってきていたが、10月から徐々に来店者数が減少した。12月の来店者は対前年比で約2割減少した。前田店長は「年末は県出身者が多く来店し、沖縄そばなどの売り上げが好調で助けてくれた。三連休に期待したいが、どうなるのか見通せない」と語った。

 横浜市で沖縄料理ぐすくを経営する福原大介さんは、8日から営業時間を午後11時から同8時に短縮する。福原さんは「うちは常連客ばかりだから、元気にする場所としてできる限り営業を続けたい」と話した。売り上げをカバーするために来週からは伊江島そばを提供するランチ営業を始める。

 沖縄の食材を沖縄料理店に届ける卸売・小売業「香那(かな)ホールセール」(本社・東京)は約300店と取引するが、12月の売り上げは前年の半減までに落ち込んだ。宇根良樹社長は今回の宣言発令で半数以上が休業する方向にかじを切っているとし「流通はインフラであり、沖縄食材は代替が利かない。営業を続けていく使命がある」と語った。

 関東沖縄経営者協会の新垣進会長は「業種によって景気がはっきり分かれる。特に飲食業は厳しい。この1月、2月を乗り切れるかが勝負だ」と話した。