コロナ給付金不正、申請補助の女2人を逮捕 詐欺容疑で沖縄県警


この記事を書いた人 Avatar photo 宮里 努
黒いフードをかぶり署員に連れられて宜野湾署を出る税理士の男とみられる人物=8日午後1時40分ごろ、宜野湾市真志喜

 県警特別捜査本部は8日、中小企業庁から持続化給付金100万円をそれぞれだまし取ったとして詐欺容疑で、いずれも読谷村の自称自営業の22歳と24歳の女の両容疑者を逮捕した。関係者によると、2人は7日に逮捕された税理士で行政書士の男(51)の下、那覇市の事務所で行政書士補助者として給付金の手続き業務に従事していたという。両容疑者の逮捕容疑は20年5月、虚偽の申請を行い、中小企業庁からそれぞれ100万円をだまし取った疑い。特捜本部は両容疑者の認否を「捜査に支障が出る」として明らかにしていない。22歳の女は7日に再逮捕された経営コンサルタント(54)と妻(53)両容疑者の娘。

 複数の関係者によると、新たに逮捕された2人とコンサルタントの妻は7月中旬、税理士の事務所における持続化給付金の申請手続きをサポートする行政書士補助者として、県行政書士会に登録された。コンサルタントらの呼び掛けに応じ、申請者の代行手続きなどを行っていたという。

 逮捕前にこの税理士は琉球新報の取材に対し、コンサルタントらは事務所の別階で作業していたと説明している。申請手続きの際、コンサルタントらによる顧客対応や手続き内容の詳細について、税理士は知らないと取材に答えた。

 行政書士補助者は行政書士の監督指示の下でのみ顧客対応、手続きのサポートなどが可能で、監督下にない状況での給付金申請は行政書士法違反に抵触する恐れがある。

 逮捕された税理士を知る行政書士は「税理士として税務書類や売上台帳を扱い、行政書士として手続きを代行していたとなると、第三者の介在なく申請できる。不正が紛れていようがチェック機能が働かない。制度の盲点だ」と指摘した。

逮捕の税理士ら送検

 特捜本部は8日、7日に詐欺容疑で逮捕した税理士とコンサル夫妻を送検した。この夫妻は沖縄タイムス元社員の男らに不正受給を指南したとして逮捕・起訴されている。特捜本部は組織的な関与などを焦点に捜査を進めている。