沖縄戦の遺骨あった糸満市の土砂 採掘業者が開発届け出 県「不備なければ受理」


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糸満市役所

 沖縄戦戦没者とみられる遺骨が見つかっている糸満市米須の土砂採掘予定地について、採掘業者が昨年12月22日、糸満市に自然公園法に基づく開発の届け出を提出したことが8日までに分かった。

 市は今後、意見書を添えて県に届け出を送付し、県が受理の可否を判断する。県は自然公園法に定められた要件に基づき、届け出に不備がなければ受理する方針を示している。ただ開発には他法令に基づく別の手続きも必要で、同業者が準備を進めている。

 糸満市は意見書に、過度な開発行為を懸念する内容を盛り込む予定。県は受理の判断を出す時期について、業者から市に届け出が提出されてから2カ月程度かかるとしている。

 業者が開発行為に着手するためには、糸満市独自の「開発行為に関する指導要綱」に基づく手続きも必要となる。同要綱は市内の無秩序な開発を防止する目的がある。

 市は申請を受けて協議し、地域の意見なども踏まえて、開発行為が適正かどうかを話し合う。法的拘束力はない。開発予定地の一部は農業用地であるため、農地転用が認められなければ農地部分の開発はできない。

 同業者は昨年11月、自然公園法に基づく届け出をせず、開発を前提とした森林伐採をしたため、県が工事の一時中断を求めた。また農業用地を重機の進入口に使用したため、糸満市農業委員会から口頭による行政指導を受けた。