【政党ジェンダー調査】女性参画の政府目標の先送り、必要な方策について、各政党はどう考えたか


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 政治分野におけるジェンダー・ギャップに関する政党アンケートでは、県内6政党全てが女性議員を増やすことに賛成し、党内の女性比率の現状について「適切ではない」と考える政党が多数を占めた。各党は女性議員を取り巻く環境の厳しさを認識しつつ、議員増に向けた手段として「クオータ制の導入」や「議員活動と育児などの両立支援」を挙げた。「多様性」を法律や条例に明記することの賛否については、全政党が賛成と回答した。


政府目標遅れ 5党「環境整備 不備」

 政府が「2020年までに指導的地位に占める女性比率を30%にする」と掲げた目標「2030」の達成を先送りしたことについて、自民以外の5党は女性が政治参画しやすい環境整備の不備や、具体的な取り組みがないことを要因に挙げた。自民は「国民的に理解度が低いのでは!」との認識を示した。

 公明は「日本社会はいまだ結婚や家庭の在り方、子育て環境などにおいて、女性が社会進出しづらい状況にあると考える」とし、家庭内の性別的役割分業などが障壁になっているとの認識だ。

 社民は「既に圧倒的な男女格差がある中で『当事者任せ』では進まない。女性や社会的弱者の政治参画を推進するためには、クオータ制など、具体的制度による取り組みが必要だ」と、格差を是正する環境整備の必要性を挙げた。

 社大は「政党および政治家の覚悟のなさと努力不足」と指摘。立民は「指導的地位に挑戦しようとする女性への人任せになりがちで、チームとして取り組む姿勢がつくれなかったことが大きな要因ではないか」と回答した。

 共産は男女の賃金格差などを背景に挙げ、「同一労働・同一賃金」などを法律に盛り込む必要性を指摘。「女性が男性よりも経済的に劣る現状では、指導的地位に就くプロセスを歩む道そのものが奪われている社会を政府は率直に直視し、目標達成に向け誠実に努力すべきだ」と答えた。


必要な方策 4党「育児両立支援」

 県内6政党アンケートでは、政府が掲げた「2020年までに指導的地位の女性比率を30%に」とする「2030」目標達成に必要な方策について(三つまで回答可)、自民以外の5党が「クオータ制の導入」と回答した。「議員活動と育児などの両立支援」(自民、社民、公明、社大の4党)が続いた。

 次いで、「女性候補者を推薦した政党への補助金支給」(社大、立民の2党)、「政党幹部への女性登用」(自民、立民の2党)、「議会や選挙でのハラスメント防止に関するルール作り」(社民、共産の2党)が同数だった。

 また、クオータ制の導入に賛成する5党のうち、社民と公明は、議席を一定数女性に割り当てる「議席割当制」を選んだ。

 社大、共産、立民は、政党が党の規則などにより、候補者の一定割合を女性または男女に割り当てる「政党による自発的クオータ制」を選んだ。