新成人のオリックス宜保翔さん 「技を十分蓄える1年に」 けが乗り越え、飛躍誓う


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 11日は成人の日。球界にも新たな門出を迎える県勢選手がいる。豊見城市出身のオリックス・バファローズ、宜保翔内野手(20)=長嶺中―KBC未来高出=だ。軽やかにこなす守備の美技、初球から迷いなく振りきる打撃は定評があり、さらなる大成が期待される。

新成人の抱負を語るオリックスの宜保翔内野手=8日、那覇市のKBC未来沖縄

 昨年の春季キャンプはアピールのかいあって二塁での起用が増え、オープン戦12試合で打率3割4分4厘と結果を残した。開幕1軍の呼び声も高かったが、5月に右手の疲労骨折で離脱を余儀なくされた。

 リハビリ中、母校の後輩たちの奮闘に奮い立った。中止となった全国高校野球選手権沖縄大会の代替で開かれた夏季大会で、KBC未来が初の決勝進出を決めた。「ちょうど手術を終えた時期で、俺も頑張らなきゃとリハビリに取り組めた」。瞬発力を強化し、守備範囲の広がりに手応えも感じている。

 9月の西武戦でプロ初打点も挙げるなど復調の兆しもあった。ただ、年間を通じては「19年の成績の方が良い」。一軍は出場10試合で、打率1割1分8厘と納得いく結果ではなかった。

 打撃では模索が続く。けがをした右手を気にしながら「使っていなかった分、握力低下だったり、ケアだったりと(打撃が)難しくなった」。ミート直前で一気に力を入れるスイングから、最初から一定度の握力を入れるスタイルに変えるなど、打撃に大きな変化があった。「手応え的にはまだまだ」と探り続ける。

9月の西武戦で左中間へプロ初打点となる二塁打を放つ宜保=京セラドーム

 守りでは身体能力を存分に生かした正確な送球を誇る。捕球で姿勢が崩れた場合のフィールディングも磨き続ける。「練習の時に難しい体勢でキャッチボールし、どこまで投げられるのか試しながら探っていく」と体にたたき込み「(二遊間の)どこでも守れる」と自信をみなぎらせる。

 二十歳のことしは「1軍での実績を更新していきたい」と改めて決意する。「(1軍で)戦える位置にいると思うが、安定して結果を残せる技術じゃない。来年、再来年と年間通じて戦える技術を十分に蓄える年にしたい」。勝利につながるプレーをこつこつと磨いてゆく。

(上江洲真梨子)