古里への感謝、ラップで表現 今帰仁の新成人・新城翼さん 代表あいさつで「でっかいファミリー変わらない」


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地元や仲間への思いを込めたラップを代表あいさつで披露した新城翼さん=4日、今帰仁村コミュニティセンター

 【今帰仁】「このでっかいファミリーは変わらない」「金なんてなくたってグッドライフ、ど真ん中にラッキーストライク」―。小気味よいラップが会場内に響いた。今帰仁村「成人式」が開かれた4日、新成人の新城翼さん(沖縄国際大2年)は地元や仲間への思いをラップに込める異色の「代表あいさつ」を披露した。

 今帰仁中では生徒会長を務め、北山高時代は野球部主将として38年ぶり(当時)に夏の甲子園県大会4強入りに導いた。ラッパーとして活動する現在は「仲間を愛している気持ち、地元への感謝の気持ちをラップで伝えたい」と思い切って代表あいさつに臨んだ。

 高校1年時に那覇市出身のラッパー「唾奇(つばき)」の曲を聞き、ラップにはまった。近くの公園に仲間と集まってはスピーカーを囲んで円になり、日常の出来事や経験などを曲に乗せて歌う。出来が良いと仲間が手を挙げてたたえてくれる。「遊ぶ場所の少ない村の楽しみ方で、自分を表現するための手段だった」と振り返る。

 小さい頃は野球大会があると、地域の人が差し入れを片手に集まり、家族のように応援してくれた。「今帰仁は何もないと思われてるが、良いところがいっぱいあるんですよ」。ユーチューブで配信するミュージックビデオやクラブで披露する曲の多くは、地元のことや仲間の大切さを歌ったものだ。

 同世代へ向けて「自分のやりたいことをやってほしい。これから仕事をすると思うが、それが普段の息抜きにつながると信じている」と期待を寄せた。