米軍機の騒音 宜野座村松田区で2割増加 オスプレイやヘリ発着場から2キロ 夜間に60デジベル以上


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民間近くのヘリパッドで離着陸訓練をする垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ=6日、宜野座村松田

 【宜野座】沖縄防衛局が宜野座村松田区で実施する航空機騒音測定で、午後7時から翌午前7時までの夜間帯に測定した騒音回数が2018年度以降、増加している。20年度は18年度比で23%増加した。同局は宜野座村と金武町の米軍キャンプ・ハンセン周辺9カ所で騒音測定をしているが、松田区のみが増加傾向にある。地元からは民間地上空の飛行停止を求める声も上がる。 (塚崎昇平)

 沖縄防衛局は14年3月から松田区で騒音測定を始めた。地元の要望を受けて18年5月、最寄りのヘリ発着場(ヘリパッド)から約2キロの場所にある区公民館から、演習場近くの民家に測定地点を移した。

 現在の地点で測定を開始した18年5月から20年11月までに、夜間帯に60デシベル(走行中の自動車内に相当)以上の騒音を測定した回数(1カ月平均)は、18年度が187回、19年度が209回、20年度が231回と増加している。

 松田区の騒音増加要因について、沖縄防衛局は「米軍の運用にかかることであり、予断をもって答えることは困難」と述べるにとどめた。騒音について「周辺住民に及ぼす影響が最小限にとどまるよう申し入れるなど、米軍と緊密に連携して対応する」とした。

 宜野座村内にはキャンプ・ハンセンのヘリ発着場が10カ所以上あり、日常的に米軍ヘリや垂直離着陸輸送機MV22オスプレイなどが訓練を実施する。松田区や城原区などでは騒音被害が出ている。

 松田区の大城学区長は「平気で民間地上空を飛ぶ。『オスプレイは振動が違う』という声も区内から出ている」と語る。

 村は民間地に近いヘリパッドの使用状況を確認するなどして、状況把握を続けている。昨年5月には米軍機の民間地上空の飛行や低空飛行を中止するよう、沖縄防衛局に要請した。當眞淳村長は「民間地に近いヘリパッドを使用しないよう、引き続き求めていきたい」と強調した。