医療・介護体制の強化を県医労連が訴え 県議会に国への意見書提出を陳情


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県議会の赤嶺昇議長(左)に陳情書を手渡し、医療現場の現状を伝えた県医労連の穴井輝明執行委員長(中央)と井樋口美香子書記長(同右)=12日、県議会棟

 県医療福祉労働組合連合会(県医労連)の穴井輝明執行委員長らは12日、県議会に赤嶺昇議長を訪ね、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて医療・介護体制を強化するため、財源確保や医師・看護師の大幅な増員、検査体制の拡充などを求めて国に意見書を提出するよう陳情した。このほか、医療用手袋が価格高騰で購入できない状況があるといい、資材不足や財源など県内病院の現状を調査するよう県議会に求めた。

 井樋口美香子書記長は新型コロナの感染拡大で、以前から課題だった人手不足による医療体制の脆弱(ぜいじゃく)さが浮き彫りになったと指摘した。その上で「診療報酬や増員基準の見直しをしないと、一施設の力ではどうにもならない。つぶれる病院も出てきている」と訴えた。

 病院では感染リスクのある中、医師や看護師のほか、最低賃金に近い給与で清掃員や助手も働く。穴井執行委員長は「医療機関や介護に関する補償がなければ、働き続けられない」と強調した。

 医労連は全国で同様の陳情をしており、85自治体が意見書を可決しているという。赤嶺議長は他府県の採択状況を調べ、県議会でも議論する意向を示し、「(陳情の内容が)国にも届くように連携していきたい」と述べた。