国内初 迫力映像体感 沖縄アリーナに「4Dリプレイ」沖縄セルラーが導入


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アリーナ内を360度取り囲む形で設置される「4Dリプレイ」技術のイメージ図(沖縄セルラー提供)

 沖縄セルラー電話(湯淺英雄社長)は12日、4月10日に沖縄市にオープンする多目的アリーナ「沖縄アリーナ」に、自由視点映像システム「4DREPLAY(4Dリプレイ)」をはじめとした先端技術を導入すると発表した。4Dリプレイは、通常では目の届かない視点からの映像を楽しむことができる技術で、多目的アリーナへの常設は国内で初めてとなる。菅隆志副社長は「IoT、ICT技術を活用して、来館者のペインポイント(悩み)の解消を図り、アリーナの盛り上げを力強く応援したい」と語った。

 4Dリプレイは、アリーナ面を360度取り囲むように60台の4Kカメラを設置し、複数の映像を高速で処理することで、固定カメラとは違ったさまざまな角度の視点を操作できる技術。シュートシーンなどの決定的な場面を、ゴール裏や反対の位置にまで視点を回り込ませて再生できるなど、迫力のあるリプレイ映像を生成する。

 アリーナ内のメガビジョンやテレビ、インターネットでのライブ中継、スマートフォンなどで見られるよう映像を提供する。

沖縄アリーナへの先端IT技術導入を発表した(左から)沖縄セルラー電話の菅隆志副社長、桑江朝千夫沖縄市長、沖縄アリーナの木村達郎社長=12日、那覇市の沖縄セルラー本社

 最大収容人数1万人が利用できるよう、Wi―Fi(ワイファイ)アクセスポイントを全館で約100台設置する。屋内デジタルマップ「Mappedin(マップドイン)」を導入し、座席の場所やトイレ、売店などのルート案内ができるサービスも提供する。トイレのセンサーで、個室の空き状況などが推定できるシステムも構築する。

 沖縄セルラーと桑江朝千夫沖縄市長、施設の指定管理者「沖縄アリーナ」の木村達郎社長が12日、記者会見を開き、導入される技術について説明した。桑江市長は「他に類を見ない施設だ。足を運んでいただいた方々に体感できる価値を高めるには、通信環境の充実が鍵となる」と述べ、整備の意義を強調した。

 沖縄アリーナは4月から、琉球ゴールデンキングスがホーム戦を実施するほか、2023年FIBAバスケットボールワールドカップ(W杯)の会場としての使用が予定されている。