那覇軍港移設、美術作品や詩で考える 写真家ら21人が企画展 浦添で30日まで


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 米軍那覇軍港の浦添移設の動きを受け、自然破壊を伴う経済発展の在り方について美術作品や詩、模型などを通して再考する企画展「imagine」(イマジン)が12日、浦添市港川のカフェレストラン「rat&sheep」(ラット・アンド・シープ)で始まった。30日まで。写真家のタイラジュンさんが企画し呼び掛けに応じた写真家や美術家、詩人ら21人と1団体が出展している。

各自の展示作品などを手にする宜壽次美智さん(前列)と(後列左から)久場麗美さん、タイラジュンさん、ぐりもじゃ・サスケさん、佐治俊克さん=12日、浦添市港川のカフェレストラン「rat&sheep」

 企画展は、自然破壊を伴う経済発展について立ち止まって考え、持続可能な社会をつくり出す学びや交流、発信の場へつなげることが目的。絵画やイラスト、立体作品、写真に加え、映像作家の山城知佳子さんの映像作品や詩人のトーマ・ヒロコさんの詩も展示している。

 グラフィックデザイナーの宜壽次美智(ぎすじみち)さんは浦添市の海岸「カーミージー」に生息する魚など18種類の海の生き物を駒にデザインした「海のオセロ」を出展した。駒の片面は黒く塗りつぶし、埋め立てを意味している。宜壽次さんは「埋め立てで海を覆ってしまうとどうなるのか、オセロで考えることができる。難しく敬遠しがちな問題も展示を通して知るきっかけになればと思う」と語った。

 浦添西海岸の好きな光景や望みたい光景をイラストにしたイラストレーターのぐりもじゃ・サスケさんも「今回の展示で、これまで関心がなかった人も考えるきっかけになってほしい」と思いを込めた。

 展示を企画したタイラさんは「これまでと同じようなサイクルで自然を壊していいのか。思考停止せずに一人一人が自分のこととして考えないと変わらない。作品を見て(那覇軍港の移設候補地の)海も見に行ってほしい」と呼び掛けた。

 入場無料。日曜は休み。問い合わせはラット・アンド・シープ(電話)098(963)6488。