新聞労連特別賞に琉球新報の「戦後75年・戦争死」報道 「史実の記録に意義」


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琉球新報「戦後75年」報道の紙面

 新聞労連(吉永磨美中央執行委員長)は13日、平和や民主主義の発展、言論や報道の自由に貢献した記事などを表彰する第25回新聞労連ジャーナリズム大賞の選考結果を発表した。琉球新報の「戦後75年 証言を掘り起こし『戦争死』の実相を探った一連の報道」を特別賞に選んだ。

 選考委員は本紙の受賞理由について「新証言や調査報道を積み重ねた労作。体験者が減少の一途を辿(たど)る中、戦争における死の実相を実際に目にして聞いた当事者しか語れない、生々しい証言を克明に記録したこの作品は歴史的資料という意味でも貴重で、後世に残るものになるだろう。新聞のジャーナリズムが持つ『史実の記録』としての意義を改めて感じさせる作品だ」と評価した。

 大賞に朝日「子供への性暴力」、京都新聞「京アニ事件」

 大賞には、朝日新聞「子どもへの性暴力」取材班による「子どもへの性暴力」、京都新聞編集局報道部「京アニ事件」取材班による連載「エンドロールの輝き―京アニ放火殺人1年」「ユートピアの死角―京アニ事件」の2点を選んだ。

 優秀賞には沖縄タイムス編集局社会部「家族のカタチ」取材班による連載「『独り』をつないで―ひきこもりの像―」など3点、特別賞は他に神奈川新聞川崎総局編集委員石橋学記者による「時代の正体・差別のないまちへ」など、一連のヘイトスピーチに抗う記事が選ばれた。

 疋田桂一郎賞には共同通信札幌支社編集部石黒真彩記者による消防職員の自殺問題を巡る一連の報道など2点が選ばれた。

 同賞には今回、過去最多40点の応募があった。