【一問一答】三浦カズ、沖縄で20年ぶり自主トレ「今も悔しさと情熱、まだまだ続けられる」


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リラックスした表情を見せる三浦知良選手(右)=13日午前、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(喜瀨守昭撮影)

 「キング・カズ」の愛称で親しまれるサッカー界のレジェンド、三浦知良選手(53)が4~13日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで自主トレーニングに励んだ。例年はグアムで行っていたが、今年はコロナの影響で20年ぶりに沖縄でトレーニングした。11日には横浜FC(J1)との契約更新が決まり、12日に開幕戦のカードが発表された。練習を終えた三浦選手に今季の意気込みを聞いた。

Q:4~13日の自主トレの成果を振り返って 

A:FC琉球がホームとしているすばらしいピッチでトレーニングできた。ホテルからのサポートも非常に大きくて感謝しかない。スタジアムの中にある筋トレのジムもしっかりしていたし、ピッチも午前中は自由に使わせてもらった。環境に恵まれた。天気も沖縄にしては寒かったようだが、東京に比べたら非常にコンディションが良く収穫になった。 

  10日間、最初はスローペースで始まったが、徐々に(負荷を)上げていくことできた。横浜FCの和歌山キャンプが始まる。準備として質の高いトレーニングがバランス良くできた。

ボールを競り合う三浦和良選手(左)=13日午前、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム

Q:開幕戦は2月27日、北海道コンサドーレ札幌戦に決まった。

A:どこのチームも開幕に向けて集中して調整してくる。開幕でピッチに立てるように自分もこの沖縄でいいスタートが切れた。シーズンをいいコンディションで入っていけると信じている。

Q:沖縄でのトレーニングは何年ぶりか。

A:2001年以来になる。それまでかりゆしホテルズのサッカー場でね、たしか95年くらいからやらせてもらっていた。約20年ぶり。その後、グアムで17年くらい自主トレーニングしてきた。(コロナもあり)久しぶりぜひ沖縄でやらせてもらいたと思った。

Q:沖縄の芝の感覚は。  

A:Jリーグで使っているピッチなので当然よかった。このあとJのチームもキャンプで使う。ちょっとずれていたら使えないのに、この時期に良好なピッチ状態で使わせてもらえたのはラッキーだった。

スタッフらと話をする三浦和良選手=13日午前、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム

Q:コロナ下のシーズンになる。  

A:こればっかりは予防していても感染している人が増えている。Jリーグで陽性者が出るだろう。それを想定内にして考えて感染予防を徹底するしかない。去年もそうだが、今年も引き続き気を緩めずにしっかりした感染予防だけは続けることを気にとめてやっていきたい。  

Q:11日の横浜FCとの契約更新で「向上心と情熱は増すばかり」とコメントした。  

A:自分は18歳でブラジルでプロになって、当初、試合に出られない時はいつも悔しい思いをしていた。ここ最近も試合に出られない時も多いが、その時の悔しさと同じ気持ちが沸いてくる。監督が憎ったらしく見えてきてね。結局プロ生活36年たってもその気持ちがずーっとある。衰えない。あの悔しさと情熱があればまだまだ続けられる。もちろん契約してくれる所がなければプロは続けられないが、そういう気持ちがある限り続けたい。  

Q:昨年9月、J1最年長出場記録を53歳6カ月28日に塗り替えた。今年の目標は。  

A:僕が出るとどうしても出場最年長になる。ただ、出場記録というよりも、そこに至るプロセスが大事だと思っている。自分がどういうことをして(ピッチに)立ったのかを重要視したい。立った時には、皆さんが期待している、僕自身も期待しているゴールを決めて、皆に喜んでもらいたいい」

ランニングする三浦三浦和良選手=13日午前、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム

 <プロフィル>  1967年2月26日生まれ、静岡県出身。177センチ、69キロ。82年にブラジルのCAジュベントスに留学し、86年に名門・サントスFCとプロ契約した。90年に帰国し、読売SCに加入。Jリーグ元年の93年からヴェルディ川崎(現・東京ヴェルディ)に所属。ジェノアCFC(イタリア・セリアA)を挟んで98年までプレーした。  その後、GNKディナモ・ザグレブ(クロアチア)、京都パープルサンガ、ヴィッセル神戸、横浜FC、シドニーFC(オーストラリア)を経て2006年から横浜FCに復帰。21シーズンもJ1横浜で戦うことが決まっている。20年9月、川崎フロンターレ戦に先発出場し、中山雅史の持つJ1最年長出場記録(45歳2カ月1日)を53歳6カ月28日に塗り替えた。その後、最終節の12月19日にも出場した。Jリーグ年間最優秀選手賞と得点王に1度、ベストイレブンを2度受賞している。