セルフ酒場という選択 無人で立ち飲み 沖縄市一番街の「勝手にしやがれ」 名護にも計画


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「一人酒を気軽に楽しんで」とアピールする白鳥拓論さん=12月30日、沖縄市一番街

 【沖縄】無人のセルフスタンド酒場が沖縄市の一番街にお目見えし、地域の話題になっている。昨年8月にオープンした店は、その名も「勝手にしやがれ」。酒やちょっとしたつまみを自動販売機で購入、気兼ねなく楽しめる新しいタイプの居酒屋だ。

 店舗を設置したのは那覇市の田中商店(田中大輔社長)で、管理運営をしているのが隣接している居酒屋「でんすけ商店コザ」の白鳥拓論オーナー(38)。滋賀県出身の白鳥さんは田中商店で修行を積み、3年前に居酒屋を開店した。

 「勝手にしやがれ」の店舗にはビール、泡盛、焼酎、ウイスキー、ワイン、果実酒など12種の酒類の自動販売機を設置。ワンカップ200円から500円以内で購入でき、多種類のおでん、肉じゃが、筑前煮などの缶詰、容器入りつまみが用意されている。

 「お酒が好きでも居酒屋の雰囲気になじめない人でも、仕事帰りにちょっと一杯という気分になる時などに立ち寄りやすい。飲み比べも楽しめる。酒の飲み方のバリエーションが広がるのでないか」と白鳥さん。

 つまみでは物足りない場合はでんすけ商店から料理の持ち込みもできるので、まさに「勝手にしやがれ」のスタイル。

 妻と5歳の息子の3人家族で沖縄市内に住む白鳥さんは、若手の起業が相次ぎ、一番街が活気を取り戻しつつあることに表情を緩める。セルフスタンド酒場の反応は上々で、年内に名護市への出店を計画しているという。
 (岸本健通信員)