多良間島で淡水にすむ新種アミを発見 「タラマメアミ」


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多良間島で発見された「タラマメアミ」(藤田喜久氏提供)

 多良間島の洞窟地下水で、アミ類(甲殻類の1グループ)の新種が発見された。県立芸術大の藤田喜久准教授と京都大の下村通誉准教授が調査で発見し、2020年12月14日付の学術雑誌「ズータクサ」で新種として掲載した。標準和名は発見地にちなみ「タラマメアミ」と名付けた。タラマメアミは体長約3.5ミリの小型種。アミ類の90%以上は海水に生息するが、今回の新種は淡水状態にある場所に生息する珍しい種。

 発見場所は多良間島北部の集落にある洞窟地下水。潮の満ち引きで水位が変動する水域だが、通常は塩分0.1%未満の淡水状態となっている。藤田氏らは島の7カ所の洞窟地下水と井戸で調査し、生息を確認したのは今回の1カ所だけだった。藤田氏らは「本種が生息する洞窟の環境は良好で生息個体数も多いが、他の場所で見つかっていないため、保全に取り組む必要がある」としている。