農業女子が目指す新5Kとは…新たに「かわいい、かっこいい」 南城でフォーラム


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女性就農者を増やすことを目的に開催されたフォーラムで、農業のやりがいなどについて意見を交わす登壇者ら=9日、南城市役所

 【南城】女性の就農者を増やそうと南城市は9日、市役所で「第1回南城市農業女子フォーラム」を開催した。農業や酪農に従事する女性が仕事のやりがい、3K(きつい、きたない、くさい)のイメージ改善などについて活発に意見を交わした。市民ら約70人が参加した。

 市内の2018年度の女性就農者の割合は専業が35・7%、兼業が30・7%と男性より少ない。「おしゃれできれいな農業女子」をテーマに農業や酪農を営む5人がトークを繰り広げた。

 酪農を営む玉城早貴子さんは「酪農をやるといった時、最初は周りから反対された。女性は厳しい目で見られる。女性の酪農家が増えていけばいい」と話した。また3Kのイメージの改善が必要とし「作業を機械化していけば軽減されるのでは」と語った。豊見城市でハーブやトマトなどの栽培をする上里さゆりさんは「新3K、稼ぐ、効率化、簡略化を目指してもいいのでは」と提案。さらに「『かわいい、かっこいい』を付け加えた『新5K』という言葉もある」と紹介すると、聴衆はうなずきながら聞き入っていた。また、女子トイレの整備などの課題点も挙げた。

 「地域の人とゆんたくする時間が大事」と語ったのは8年前、夫の誘いで飲食店から農業へ転身した喜納玲さん。喜納さんは「最初は農地を貸してもらうのが大変」と苦労を語りつつ、「近くに農業女子がいれば情報交換できる。農業には楽しいこともたくさんある」と聴衆の女性に就農をPRした。伊江村出身で現在県立農業大学校に通う山城瑠唯さんは「技術的なことではなく、力仕事が厳しい。今後IT化などで乗り越えていけたら」と話し、「農業が女性の視点がある産業に生まれ変わったら」と希望を語った。

 市内のリゾートホテル「百名伽藍(ひゃくながらん)」のオーナー兼総支配人を務める渕辺美紀さんは「農業とテクノロジーのコラボの中にいろんなヒントがある。革新的なことを南城市でもやっていけたら、もっと楽にかっこいい農業ができるのでは」と提案した。

 フォーラムでは沖縄総合事務局農林水産部の米須美奈子さんの「農業女子プロジェクトとは」をテーマにした基調講演もあった。