バスケットボールの第39回小橋川寛杯争奪高校選手権は17日、名護市の21世紀の森体育館で男女決勝リーグの最終戦を行った。男子は美来工科が84―64で興南を破り、3戦全勝で優勝。校名が中部工だった2002年度以来、18年ぶり5度目の頂点に立った。女子は西原が那覇商を98―79で退け、3戦全勝で2年ぶり8度目の栄冠を勝ち取った。男女上位4校は第51回全九州春季選手権(3月13~14日、佐賀県)に出場する。
◆序盤猛攻で抜け出す/美来工科
シューターの大久保駿矢が3点弾を沈めれば「得点を取って周りを生かすことが役割」と自覚する島袋王鳳主将が鋭いドライブで守備を切り裂く。守りではオールコートのゾーンプレスでスチールを連発し、ハーフコートでも素早いヘルプと力強いボックスアウトで簡単に得点を許さない。第1Q、美来工科は35点を積み上げ、いきなり21点差を付けて抜け出した。
「ボックスアウトからリバウンドを取り、速攻を仕掛ける。試合の入りはうちのペースだった」と宇地原尚彦監督。しかし、高さで勝る興南も徐々に守りの強度を高めていく。中を固められた美来工科は外角シュートが増え、得点効率が下がっていった。
我慢の時間帯にチームを支えたのが、176センチながら屈強な体を持つ玉城宏崇だ。「フィジカルとリバウンドが自分の強み」とゴール下の守りで体を張る。島袋らガード陣も前線でプレッシャーをかけ続け、点差を保ったまま勝ちきった。
玉城は高身長の相手が増える九州大会でも「体を張ってリバウンドを取る」と自身の役割を見詰める。
宇地原監督は「すばしっこい動きを生かした沖縄らしいバスケで戦いたい」と意気込んだ。
(長嶺真輝)
◆宮里、長距離3点弾で流れ/西原
ボールをもらった場所はスリーポイントラインから2メートルほども離れていた。第4Q開始3分すぎ、「チーム一のシュート力」(崎浜秀勝監督)を持つ西原の1年生宮里綺羅乃が左45度でパスを受けると、迷うことなくキャッチ&シュート。「いいパスで、受けた瞬間に打つつもりだった」。きれいな弧を描き、リングの真ん中を射抜いた。
リードは7点。後半はシーソーゲームが続いていたが、宮里の長距離3点弾で流れに乗る。速攻を連発して一気に突き放し、勝負を決めた。崎浜監督は「(宮里が)きっかけをつくってくれた。集中力が非常に高い」と称賛した。
登録メンバーの15人中11人が1年生。まだ脚力不足で経験も浅く、序盤は走り負けし、リバウンドも支配されたが、後半は選手間のコミュニケーションを増やして徐々に改善した。インサイドで体を張った榮門由華は「気持ちで負けないで、リバウンドに飛び込んだ」と振り返った。
全国出場を重ねる西原。現1年生は近年の中でも高身長がそろう将来性豊かな世代だ。司令塔の2年生ガード、知名梨里亜は「コート内で声を出し、先頭に立ってプレーしたい」と後輩を引っ張っていく決意だ。