首相「辺野古進める」 施政方針演説 沖縄振興の成果強調


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 【東京】菅義偉首相は18日に国会で実施した施政方針演説で、米軍普天間飛行場の移設について「辺野古沖への移設工事を進める」と述べた。20日に就任するバイデン次期米大統領との関係強化に意欲を示した上で、従来の方針を堅持する考えを改めて強調した。新型コロナウイルスの感染再拡大の影響が続く中での国会開幕で、沖縄政策への言及は少なかった。一方で、北部の観光振興の目玉として名護東道路を今夏に全面開通することを強調。沖縄振興と米軍基地問題をリンクさせるかのような姿勢も目立った。

 菅首相は日米同盟を「外交・安全保障の基軸」とし、バイデン氏との会談の早期実現に意欲を示した。

 「日米の抑止力を維持しつつ、沖縄の皆さんの心に寄り添い、基地負担軽減に引き続き取り組む」と決意を述べた上で「普天間飛行場の一日も早い全面返還を目指し、辺野古沖への移設工事を進める」などと従来の主張を繰り返した。

 「新型コロナウイルス対策」を政策の最優先課題に掲げた一方で、「新型コロナを克服した上で、世界の観光大国を再び目指す」と宣言。今夏に全面開通が予定されている、名護市数久田と同市伊差川を結ぶ名護東道路に触れ、「美ら海水族館や世界遺産の今帰仁城跡へのアクセスが大幅に改善される」とアピールした。