中小企業の経営、大幅悪化 20年度沖縄県内 採用計画減少、賃上げ鈍く


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 県中小企業団体中央会(島袋武会長)は18日、2020年度中小企業労働事情実態調査の結果を発表した。20年7月1日時点の経営状況について、「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた指数(DI)は、19年度調査から53ポイント悪化してマイナス43.8と大幅に悪化した。全国平均のマイナス55を上回ったものの、多くの企業が新型コロナウイルスの深刻な打撃を受けている。

 新型コロナの経営に与える影響は「売上高の減少」が64.0%で最多を占めた。主要事業の今後の方針について、「強化拡大」と答えた県内事業所は30.8%で、全国の25.2%を上回った。

 一方で、21年度の採用計画の有無について、県内では「ある」と答えた事業所が同4.8ポイント減少し19.7%で、全国の24.5%を下回った。採用計画があると回答した事業所は全業種で減少している。

 賃金について、「引き上げた(予定も含む)」という事業所は県内が38.3%、全国は47.0%だった。県内は「未定」が41.0%と最も多く、担当者は「沖縄に限らず、地方の企業は先行きが不透明なことから賃金引き上げに慎重になっている」と分析した。

 新型コロナを受けた労働環境の整備については、「特に整備していない」が47.1%と最も多かった。導入した制度としては、時短勤務が20.6%、テレワークが15.0%、時差出勤が13.4%でいずれも全国平均を上回った。