高1・平安山「今年こそ王者」 全日本カート初挑戦で年間4位に


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OKクラス最終第10戦で激走する平安山良馬(手前)。3位でフィニッシュし、年間成績は4位に入った=2020年12月、三重県の鈴鹿サーキット(提供)

 カートの2020年全日本選手権で、最上位のOKクラスに初挑戦した平安山良馬(興南高1年)が昨年12月まで全10戦を戦い終えた。10月の第5戦で2位に入るなどし、年間順位で4位に輝いた。ただ、優勝したレースがなかったことに「ルーキーだからといって結果を出せずに終わりたくなかった」と振り返る。悔しさを新たなシーズンに振り向け「今年こそチャンピオンを取る」と決意新たに闘志を燃やす。 (謝花史哲)

 OKクラスでは規定の範囲内でエンジンの改造も許されている。タイヤもメーカーが独自に開発したグリップ力が高いものを使用できる。予選から決勝にかけて同じタイヤを使い続ける中で、その能力を引き出し、性能を保たせて走りきることが勝負を分ける大きなポイントとなるという。

平安山 良馬

 これまで参戦してきたFS125や鈴鹿選手権シリーズに比べ「何もかも次元が違う」という。タイヤのグリップ、速度、戦略など「難しい」の一言だった。それでも千葉県の茂原ツインサーキットでの第3、4戦で早速結果を出す。3戦決勝は最後尾から追い上げて上位に食い込み、4戦は予選でトップに立った。予選でタイヤに負荷をかけ過ぎて、28周回する決勝後半で速度を維持できず、3位に順位を下げたが「いい走りができた」と手応えをつかんだ。続く第5戦で好調さを保ち2位に入ってポイントを獲得。「タイヤをどう使うかが(勝因として)一番大きい。7、8戦くらいから少しずつできるようになってきた」。その後も上位に入るレースを展開し、第10戦は3位でフィニッシュした。

 初シーズンを終え「メカニックや応援してくれる人など関わる人の多さも違う。レースは自分だけではない。責任は重い。死ぬ気でやらないと。とても楽しいけど去年より必死だ」と語る。結果が求められるレースの世界の厳しさをより感じた1年にもなった。ゆくゆくはフォーミュラへの挑戦やプロとしての活動を目指す。「18歳になるまでに結果を残す」と最終目標を見据えつつ、次のシーズンへ走りだす。


<用語>レーシングカートのOKクラス

 国内カートレースのシリーズで最上位の全日本選手権はFP3、FS125、OKとクラスが分かれ、最高峰がOKクラス。“カートのF1”とも称される。エンジンやシャシー、タイヤを選択して使用することができる。OKクラスの20年シーズンは7月から12月に国内各地を転戦して行われた。