沖縄の警戒レベル最高の「感染蔓延期」に 入院患者で満床…医療崩壊が目の前に


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 新型コロナウイルスの19日の新規感染者は113人と再び100人台となり、県の警戒レベルは、最高の「感染蔓延(まんえん)期」に引き上げられた。警戒レベルを判断する7指標のうち4指標が蔓延期に達した。県は現在の感染状況から県内で1週間当たり500~800人の新規感染者が出ると見込んでいる。来週にかけて医療崩壊も現実味を帯びている。

 19日時点で県内のコロナ病床占有率は88.5%と前日より5ポイント上がった。判断指標では70%超を蔓延期に位置付けている。県はコロナ病床の拡大を図るが、活用できる病床数や人員確保の面で限界がある。

 一方、県によると一般病床(非コロナ病床)の占有率は県全体で94.5%。本島中部では102.0%と既に100%を超えるなど、人口が多い本島中南部で逼迫(ひっぱく)している。コロナ、非コロナともに入院患者の満床が目前に迫っており、医療体制がパンクすれば、患者が受け皿を失う医療崩壊が起きる。玉城デニー知事は緊急事態宣言を発表した記者会見で「地域医療崩壊が目の前だ」と強調した。

 19日に新たに蔓延期に入った指標は直近1週間以内の新規PCR検査の陽性率。7%超で蔓延期に該当するが、8.0%となった。療養者数は329人超を蔓延期としているが、19日時点で2.3倍の747人、直近1週間の新規感染者数も蔓延期の基準である211人超の約3倍の609人となった。