飲食への時短要請は「事業者」から「店ごと」に拡充 業者らから安堵の声


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
政府の緊急事態宣言に伴う観光客の激減で臨時休業する店舗が相次ぐ那覇市の国際通り=19日午前(写真の一部を加工しています)

 県は独自の緊急事態宣言の発出に伴い、県内全域の飲食店やスナックなどの遊興施設を対象に、22日から2月7日の期間、営業を午後8時までに終えるよう営業時間の短縮を要請した。応じた場合の協力金は1日当たり4万円で、これまでは「1事業者ごと」としていたのを「1店舗ごと」の支給に切り替える。飲食店の関係者は、県の判断を評価した。

 現状の事業者ごとへの協力金支給では、複数の店舗を運営する事業者は売り上げ減少を穴埋めできず、時短要請に応じないケースも出てくるなど、対策の実効性が疑問視されていた。

 県の嘉数登商工労働部長は「複数店舗を経営する事業者にも協力してもらえないと、実効性がなくなってしまう」と話した。

 県によると、対象店舗は県内全域で9914店、協力金の概算は67億4152万円と想定している。国の緊急事態宣言対象地域に指定されれば、1日当たり6万円に切り替える方針。

 県飲食業生活衛生同業組合の鈴木洋一理事長は「(店舗ごとの支給は)要望していたが、厳しいと思っていた。ギリギリまで要望をくんでくれた」と評価した。その上で「飲食店に肉や野菜などを納入する業者も心配だ。支援してほしい」と話した。

 10店舗以上の居酒屋を運営する経営者の男性は「これまでの協力金では家賃の足しにもならなかった。今回の対応は助かる。従業員の雇用を守るために活用したい」と話した。

 時短営業要請の対象地域も現在の7市から、県内全域に拡大される。うるま市の追加を求めていた石川地区社交飲食業組合の松本浩仙組合長は「生活のため店を開けざるを得ないが、感染リスクを不安に思う人も多かった。やっと(全域に)拡大してくれて良かった」と安堵(あんど)した。