沖縄緊急宣言 対応追われる映画館、商業施設、在宅勤務… 翌日からの時短に「乱暴」と不満も


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営業時間の短縮を周知する張り紙を貼るネットボックス壺川店の店員=20日、那覇市壺川

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う県の「緊急事態宣言」から一夜明けた20日、県内企業は在宅勤務や時間短縮営業の検討を開始し、対応に追われた。時短営業の「働き掛け」については県から事業者への事前周知が足りず、20日からの対応が間に合わないケースも。対象となった業種の関係者は「事前にアナウンスもなく、夜に発表して翌日から『短縮してくれ』というのは乱暴すぎる」と憤った。県経済への影響や主な事業者の動きをまとめた。

 ■商業施設

 県は映画館や図書館、パチンコ店などに対して午後8時までに営業終了するよう求めている。千平方メートル以上の物品販売店舗も対象に含まれているが、県によると衣料品店やホームセンターは生活必需品となり、対象には含まれない。

 豊見城市の商業施設「イーアス沖縄豊崎」は、22日~2月7日まで、入居する飲食店の営業を午後8時で終了することを決めた。衣料品や雑貨などのテナントから、時短営業をしたいと要望があるという。担当者は「個々の店舗で事情が違う。個別に対応していきたい」と語った。

 サンエーも22日から直営の和風亭などの外食店舗を午後8時までの営業にするが、専門店の営業時間は変更しない。イオン琉球も飲食専門店やフードコートを時短営業とするが、飲食店以外の専門店は通常通り営業する。

 スポーツ用品店「スーパースポーツゼビオ」は、県内3店舗で22日から午後8時に営業終了する。ホームセンター「メイクマン」は時短営業の対象にはなっていないものの、感染予防対策として本島内7店舗の営業時間を1時間短縮し、午後7時までとする。

 ■映画館・遊興施設

 通常は24時間営業しているインターネットカフェ「ネットボックス壺川店」は、昨年12月から夜10時までの営業に短縮していた。緊急事態宣言を受けて、午後8時終了にさらに短縮した。スターシアターズは、映画館6館について、22日から午後8時で営業終了することを決めた。桜坂劇場は宣言期間中、週末に実施していた午後8時以降の上映を停止する。

 パチンコ店19社が加盟する県遊技業協同組合は緊急で執行部会を開き「県の働き掛けに真剣に耳を傾けて、誠意ある対応をするようお願いする」と加盟各社に通達した。時短営業するかは個別の判断に委ねる。山田聡専務理事は「県から事前に説明があれば、よりスムーズに対応できたと思う」と話した。

 ■企業の感染対策

 県の緊急事態宣言は、県内事業者に対してテレワークを推進し、職場の出勤者の7割減を求めている。沖縄セルラー電話は20日から、全従業員を対象に従業員のテレワーク勤務を7割まで引き上げると決めた。沖縄銀行は那覇市の本店内にある本部部署で、可能な限り在宅勤務や時差勤務を推奨する。ろうきん沖縄は21日から「当面の間」の感染予防対策として、職員の交代勤務を実施し「昼休み休業」を導入する。