浦添西海岸「埋めないで」 市民有志、自然生かした街づくりへ団体発足


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埋め立て計画の見直しを求める「里浜22」のメンバーら=20日、浦添市西洲

 米軍那覇港湾施設(那覇軍港)の移設を含む浦添西海岸の埋め立て計画を巡って、市民有志が海辺一帯の保全を訴える団体「里浜を22世紀につなぐ会(里浜22)」を発足した。今後、関係自治体に現計画の中止を求める要請行動や啓発活動を展開する。結成を呼び掛けた港川自治会の銘苅全郎会長(78)は「生活を豊かにする里浜を、未来に残したい」と語った。

 港川自治会は、子どもたち向けに海の観察会やカヌー体験などを推進する「里浜活動」を、2005年ごろから続けてきた。銘苅さんは、生活者の共有財産であるはずの海が行政や漁業者だけのものとして扱われていると感じた。海辺を地域行事や教育に生かすことで「里浜の新しい価値を創造し、改めて市民の手に戻したい」と考える。

 浦添市西海岸の埋め立て計画には政府が進める軍港移設のほか、県や那覇、浦添の2市などが協議している那覇港の増設やリゾート地域の開発が含まれる。銘苅さんは里浜22を発足して、埋め立てないよう声を上げることにした。

 浦添市内の自治会関係者や個別で環境保護活動に取り組む人たちが、里浜22のメンバーに名を連ねる。鹿谷麻夕共同代表(52)=中城村=は「多様な生き物がすむこの海を見て、埋めない方がいいと考える人が飛躍的に増えている。その声を拾い、行政に届けたい」と語った。

 福村俊治共同代表(68)=建築士=は「この海があるからこそ、キャンプ・キンザー(牧港補給地区)跡地の価値も高い。自然を生かした街づくりを考えるべきだ」と述べた。 

(明真南斗)