営業短縮、魚市場や青果・食肉卸も悲鳴「料理人の姿消えた」「協力金出して」


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野菜の出荷作業を準備している兼正青果の従業員ら。普段より野菜の量は少ないという=21日、那覇市港町

 新型コロナウイルス感染拡大を受けた県の緊急事態宣言発令に伴い、県内全域の飲食店やスナックなどの遊興施設を対象にした営業時間短縮要請が、22日から始まる。時短営業や臨時休業の動きが広がる中、飲食店などに食材を納入している卸売業者も受注が激減する打撃を受けている。飲食店と異なり協力金は支給されず、不公平感や苦境を訴える業者は多い。卸売業者からは協力金や継続的な支援を求める声が上がる。

 青果卸売りの兼正青果(那覇市)は、年末に「Go To トラベル」が停止したのに伴い、ホテルや飲食店からの注文量が約7割落ちた。県が緊急事態宣言の発令を決めた後も、臨時休業する取引先が出ており、注文量がさらに1割落ちたという。古波倉正紀社長は「(注文停止を)想定して在庫があまり出ないように仕入れをしたが、予想以上にひどくて売り先がいない。在庫を抱えることになった」と肩を落とす。卸売業は協力金の支給対象となっていないことに対し、古波倉社長は「ないよりあったほうがいい。会社規模に応じて協力金を支給してほしい」と強く求めた。

 泊魚市場で仲買をするカネヤマ水産(那覇市)の當山清伸社長は、飲食店の営業時間が午後8時までに短縮されたことについて「飲食店の間で『開けてもしょうがない』という雰囲気がある。泊魚市場に買い付けに来る料理人もほとんど見かけなくなった」と話す。カネヤマ水産の売り上げは前年に比べ6割減少している。「どういう理由で飲食店だけなのか。(卸売事業者も)両方倒れたら終わりだ」とし、協力金や継続的な支援を求めた。

 本島南部の食肉卸売業者は、県が緊急事態宣言を発令してから、注文が3割減少。居酒屋などの休業が影響しているという。担当者は「明日以降も(注文が)減るかもしれない。多少なり協力金を出してほしい」と声を落とした。