米軍機低空飛行 防衛省が飛行高度の解析検討 映像など活用し知見収集へ


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防衛省(資料写真)

 【東京】慶良間諸島周辺での米軍機による低空飛行訓練に関連し、防衛省は22日、撮影された映像などから航空機の飛行高度を割り出す方法の調査を始める考えを示した。従来、住民側から低空飛行の訴えがあっても「規則を守っている」とする米軍の説明を伝えるしかすべがなく、説得力に欠けることが課題だった。米軍機による低空飛行の目撃情報が全国的に相次ぐ中、重い腰を上げた形だが「今のところ(技術が)確立されているわけではない」といい、手探り状態のスタートとなる。

 同日、国会内で行われた沖縄等米軍基地議員懇談会で、伊波洋一参院議員(沖縄の風)の質問に答えた。

 防衛省によると、航空機の高度は機体に搭載された「高度計」を見ないと分からないという。一方、外から測る方法を研究している人もいるといい、知見の収集を進めている段階だ。めどは立たないものの「できるだけ早く結論を出したい」と述べた。

 慶良間諸島で確認されたMC130Jの場合、横幅が40メートルほどあり、実際の高度よりも「機体が大きく見える」可能性があると話す。撮影された映像には「海抜約44メートル」と書かれた標識が映る場面があったが、担当者は「撮影した高さや(カメラの)角度(の影響)があったりする。はっきりした高さは分かりづらい」と現段階での絞り込みには慎重だ。

 実地調査をしようにも、米側の訓練頻度がまちまちなのが課題だ。過去に中国四国防衛局が実際に職員を派遣したが、滞在期間中に訓練がなく、確認できなかった例もあったという。