時短繁華街、人影まばら 県内全域拡大 飲食店「客いない」


この記事を書いた人 Avatar photo 宮里 努
緊急事態宣言入り初の週末となり、人通りもまばらな繁華街=22日午後7時20分ごろ、那覇市松山

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けた県独自の緊急事態宣言に伴い、飲食店などに対する営業時間短縮の要請が22日、県内全域に拡大されて始まった。21日までは県内7市で午後10時までの時短が求められていたが、22日から来月7日までは全市町村で午後8時までの営業が求められる。22日夜、那覇市内の繁華街では多くの店舗が要請に応じ、人けもまばらだった。

 宣言後、初の週末。雨が降りしきる中、那覇市内の繁華街では客の姿が見られない店もあり、午後8時にかけて人出はさらに減った。一方、キャバクラなどが密集する松山地域では午後8時にかけて人出が増え、ネオンの明かりが輝き始めた。 

 午後5時半。那覇市の中心市街地は帰宅ラッシュの人であふれ、多くの人がバスやモノレールに乗り込んだ。コロナ禍前に多くの人でにぎわった、市久茂地の飲食店街は人影がまばら。この日から臨時休業をする店舗も多く、客がいないのか店員がキッチンでスマートフォンをいじる様子も見られた。

 「今日の予約はキャンセルになった。24日からは休業にする」。那覇市久茂地のピザ店の男性(45)はこう吐露した。午後6時開店で、2時間だけの営業では経営が厳しいため、臨時休業を決めた。

 午後6時半。桜坂など中小の飲み屋やスナックが立ち並ぶ市牧志も、行き交う人はほとんどいなかった。居酒屋を営む男性(55)は店の外に出てたばこを吹かしていた。「今日から(午後)8時までだから4時くらいから開けたけど、客はいないよ。10時までの予約もあったけどキャンセルになった。これからどうなるかね」と嘆いた。

 午後7時半。酒類を提供できる時間が過ぎた。市松山では街を歩く人の姿もあったが、ほとんどが客引きなど店舗関係者。明かりが付いていない店舗の軒先で、カップ麺をすする姿もあった。

 ただ、ほかの飲食店街と異なる様子も見られた。時間の経過と共に氷の配達業者が行き交うなど、にぎわいが出てきた。「おはようございます」。午後8時前、客引きの男性が携帯で話し出したかと思うと、わずかながら店舗の明かりが増え始めた。