老舗レストラン閉店 嘉手納アップキティー コロナ影響、持ち帰りに集約


この記事を書いた人 Avatar photo 宮里 努
チーズバーガーなどで人気を集める老舗飲食店のロータリードライブインの與座みゆき代表(右端)とその家族ら=21日、嘉手納町の道の駅かでな

 嘉手納町の老舗飲食店「ロータリードライブイン」は、「道の駅かでな」2階にあったレストラン「アップキティー」を閉店し、商売を1階の持ち帰り専門店に集約させている。チーズバーガーなどで地元客や観光客から人気を集めていたが、2019年10月の道の駅かでなの改装工事で来店客数が落ち込んでいたところ、新型コロナウイルス感染拡大の直撃で臨時休業に追い込まれ、昨年5月にレストランを畳む決断をした。

 ロータリードライブインは1975年、現在道の駅かでながある場所に、持ち帰り窓口併設のレストランとして開業した。アメリカ文化を取り入れたメニューが珍しく、味も良かったことから地元客や県外客に好評を博したという。その後、同店は所有していた土地を嘉手納町に売却し、2003年に完成した道の駅かでなの1階と2階に入居した。創業者らが高齢のため、16年に娘の與座みゆきさん(50)に店舗を継承させた。

 しかし、19年10月から入居施設の改装工事が始まると、来店者数が激減し、売り上げも半減した。與座さんは「家賃と人件費を支払った後、手元に残るお金もないほど大変だった」と振り返った。

 昨年1月からは新型コロナの影響が広がり、施設を訪れる観光客の減少や県民の外出自粛の影響を受けた。県よろず支援拠点に相談し、飲食店舗は閉め、持ち帰り専門だけの営業とすることを決めた。

 閉店から半年以上たった今も、常連客から「いつ店を開けるの」「そっちのチャーハンを食べたい」など、問い合わせが来ているという。與座さんは「両親から受け継いだ店舗を閉めるのは心苦しかった。いつかまたレストランを再開し、お客さんの期待に応えたい」と誓った。