ラグビー県高校新人 読谷が14年ぶりに頂点 FWが進化、攻撃に幅 


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名護―読谷 後半、インゴール手前のモールを読谷FWが押し込み、グラウンディングしてトライを決めるSH上地裕希(左)=23日、沖縄市の県総合運動公園蹴球場(新里圭蔵撮影)

 ラグビーの県高校新人大会最終日は23日、沖縄市の県総合運動公園蹴球場で決勝を行い、読谷が48―0で名護に勝利し、14年ぶり2度目の頂点に立った。読谷は終始、攻守で圧倒した。前半終了間際に自陣ゴールライン手前まで詰め寄られたが、堅い守りで防ぎきり、最後まで得点を許さず完勝した。

優勝した読谷のメンバーら

ハイライト

 読谷が進化したFW陣を先頭に攻防一体で得点を重ね、圧巻の強さで名護をはねのけた。昨年11月の全国大会県予選決勝は終了間際に逆転負けを喫していた。悲願の初の花園に向け、新チームが雪辱を果たした。

 前半3分、電光石火の先制点だった。敵陣左サイドでの相手ボールのファーストスクラムに強化の成果が表れた。組み合いを制してボールを奪い返すとSOの島袋世良が密集を縫って駆け上がり拠点をつくる。右に展開し、CTB天久愛翔が最初のトライを決めた。

 バックスは勝負できたが、FW強化が課題だった。県予選の敗北がチームに火を付けた。フランカーの大城寛汰は「ハードワークしてきた。苦しくても前に出る、ディフェンスラインもしっかり面で止めるという意識の共有ができていた」と真価を発揮し、モールでも押し勝った。

 前半終了間際に自陣ゴールラインまで迫られる。県予選での逆転負けを思い出させるような場面だったが、突破を許さず、ボールを奪い返した。最後の8トライ目もモールからの得点。FWの強さがバックスの突破やキックを用いてスペースを狙う多彩な攻めにもつながった。

 地元で小中からラグビーに打ち込んできた仲間がそろう。主将の島袋は「読谷で花園に行こうと話してきた。先輩たちの分まで目指したい」と目標は明確だ。初の聖地を目指すチームがさらなるレベルアップを誓う。 (謝花史哲)

読谷-名護 前半、相手をかわして独走し、トライを決める読谷の山原穏聖(右)

俊足1年生2人、4T

 ○…バックスの1年生2人が躍動した。FBの山原穏聖と左のWTBの與那覇裕夢は中学からのチームメート。ともに50メートル6秒5、6秒6の速さを誇る。読谷が強みとする「外に展開して取る」戦略で大きな役割を担う。

 この日は左サイドの攻めから何度も好機が生まれた。2人とも中学3年の時はチーム事情で別のポジションに付いたが、高校で先輩たちと同じチームになり、それぞれが「しっくりくる」というポジションに戻った。久場良文監督も「間合いがいい」と評価する山原が突破力で切り込み、1トライを決めた。

 與那覇も山原との連係などで3トライと得点源となった。山原は「バックス陣は速さもありキックもできる」と大差での勝利を自信に、さらに勝ちきる力に磨きを掛ける。